「Kさんの即時釈放を求める会」署名に賛同しました


 8月28日、「Kさんの即時釈放を求める会(Free K!)ー8.22弾圧救援会ブログ」に賛同の署名をしました。署名は本名(上野 良樹)です(追記:9月1日に釈放されたとの報せが入りました。また、実名の自発的な公表に踏み切ったため、本記事での仮名を実名に切り替えます。詳細は下記)。
 これは、免状不実記載(免許証の住所が現住所ではなかった)と有印私文書偽造(賃貸契約の更新に当たって、それまでの連帯保証人の名前を確認を取らずにそのまま書いた)の被疑で、大阪・釜ヶ崎の日雇い労働者に取材したドキュメンタリーを制作していた韓国人男性が逮捕された事件です(産經は被疑者を実名で報じています。しかし、Blogで被疑者の黙秘を尊重して、匿名にしているため弊サイトでもこれに倣います。産經記事へのリンクも、現時点では張りません)。

 連帯保証人の件は、警察側の発表が正しいとすれば、やはりうかつだったと思います。しかし、その場合でも逮捕の必要がある被疑とは言えません。
 また、Blogで指摘されていますが、警察は事件に無関係のはずの被疑者の取材テープや、野宿者支援ビラ、名刺ファイルなどばかりを押収しています。
 また、逮捕された金稔万(キム インマン)氏は大林組で働いた際、通名を強要されたため、大林組と日本政府を相手取って訴訟を起こしています。
 もう一つ、このドキュメントでは、2007年、大阪市が統一地方選を機に、住所不定とされた日雇い労働者・ホームレスなどの住民票(そして参政権)を剥奪した事件も取材しています。
 この事件は、行政が正面から普通選挙を否定するという、とんでもないものです。

 結局、本気で免許証や連帯保証人の件を罪に問おうとしたようには見えないのです。取材や大林組の件を邪魔するための口実が、先に立っているように見えます。
 従って、取り敢えず逮捕して、金氏を悪人と印象づければいいという恣意的な行動であり、言論弾圧と言わざるを得ません。
 これが、私が賛同した理由です。

 その後、9月1日に起訴猶予で釈放されたとの報せが入りました。元々逮捕するほどの犯罪でもないのですから当然ですが、ひとまずほっとしました。
 詳細はBlog「2010-09-01 Kさん、釈放されました!!今、本人から直接、報が入ったそうです。(文字化けのため表題の一部を略)」、「2010-09-02 犯罪者は警察のほうだCommentsAdd Star」も参照して下さい。
 また、金氏の始めたBlogは「イルムから―当たり前に本名が名乗れる社会を求めて」です。


 また、既に釈放されましたが、8月15日、靖国神社で、追悼儀式に抗議していた2名が逮捕された事件がありました。警察官に一方的に引きずり倒されています(・警察に暴行を受けるBさん)。一方、在特会(在日特権を許さない市民の会)は反天連(反天皇制運動連絡会)のデモ妨害に押しかけ、「警察は日本人差別をするなー」「昔の特高警察を見習えー」「(桜井誠代表が、反天連のデモを弾圧しない機動隊員たちに)君たちは公務員たる資格はない!」と気勢を上げたり(「【在特会】平成22年8月15日 靖国神社 反天連抗議」)、ペットボトルや生卵を投げつけたりしましたが(安田浩一氏「8/16 午後 12:08 webから 」)、おとがめ無し。在特会側の動画を見ても、機動隊員の彼らへの低姿勢なこと! 捕まった2名は、抗議の目的も果たせずに引き揚げようとしていただけなのに。
 「「靖国弾圧を許すな!警察は2名をただちに釈放しろ!8・26緊急集会」やります!」によれば、警察官は2名への取調で「おまえらの声は市民に届いていないぞ」「お盆に靖国神社に参拝することは日本人の風習だ」「逮捕はいい機会だから考え直せ」などと主張していたとか。

 つくづく取調の全面可視化が実現していないのが悔やまれます。それにしても警察官が一宗教法人の宣伝をしているのに、捕まった2名の方には申し訳ないのですが、怒りよりも笑えてしまいました。
 全く(伊勢)神宮を差し置いて、靖国神社も偉くなったものです。もっとも、このお二方にとっては靖国も神宮も一緒でしょうが。
 しかし神領民としては、明治時代に出来たばかりの靖国神社が、一部で異常に高く評価される状況は、やはり変だと思っています。さらに、在特会という人種差別団体に擁護され、それがまかり通る現状は異常です。
 ちなみに、靖国神社の参拝者数は、ちゃんとした情報源は見つかりませんでしたが、ネットで流布している数によれば600万人。神宮は伊勢市の統計に拠れば、平成21年(2009年)で外宮1972234名、内宮6014051名、計7986285名(「平成21年 伊勢市観光統計」)。
 結構いい勝負ですね…。さすがは東京。


 え、在特会は京都で捕まっただろうって? 気力が尽きましたので、この件はapesnotmonkeys氏の「2010-08-27 ■[政治・社会]ことばがない」に代えさせて頂きます。

 ちなみに。在日朝鮮・韓国人が「通名を使え」と迫られた実例として、積水ハウス訴訟があります(「積水ハウス在日社員(民族差別発言)裁判 」)。
 積水ハウス職員で、在日韓国人2世の徐文平氏が、名刺に実名をハングルで書いていた事などを、顧客に非難された事件です。
 顧客曰く、「おまえは何人や。(名刺に記載されたハングルを指して)これどういう意味や。どういうこっちゃ。」「ようこんな名刺出すなあ。」「おまえの戸籍の名前はどれや。国籍は。」「名刺が気に入らん。名前の一番上に書いてあるのが気に入らん。もっと小さくこの辺に小さく書け。戸籍にもこの字(ハングル)を書いているのか。名刺を受け取った者は名刺からいろいろ判断するんや。例えばこの名刺(森係長、2級建築士との記載がある)やったらこの人は、文科系やったら頑張って勉強して資格取って、理科系やったら高卒かなあと考えるわけや。」などと非難された為に、この発言を民族差別として、名誉毀損で訴えた事件です(現在は和解が成立)。

 一方、被告側の主張をまとめたサイトに「積水ハウス」があります。要するに、積水ハウスに法外な要求をされたのに反論しただけであると。自称関係者の主張として「在日社員を派遣し因縁をつけさせて黙らせ」たというのもありますが、これこそ因縁でしょう。
 もちろん、積水ハウスが勝手に工事を行って金を取ろうとしたのが事実なら、顧客が問題にするのは当然です。
 しかし、注意すべきなのは、この顧客は人種差別発言をした事は認めていて、その上で「現在の法体系では泥棒に向かって「この泥棒め!」と言っても慰謝料が発生する」と放言しているように、全くその犯罪性を自覚していない事です。被告は自分を被害者としか思っていないようですが、特定の民族・国籍そのものを泥棒になぞらえたのですから、この発言だけでも人種差別として問題にせざるを得ないでしょう。
 つまり、人種差別の重大性を認識しなかったために起きた事件であり、彼我の認識のどうしようもない齟齬が生んだ事件でした。
 これは、積水ハウスの工事に問題があるか否かとは別問題です。念のため。

 前置きが長くなりましたが、この事件にも在特会の桜井誠会長は首を突っ込んでいます。曰く。

オーナー側は「日本企業」の「積水ハウス」という会社に仕事を依頼したにも関わらず、上の画像をご覧の通り一体これは何処の国の名刺か? と一瞬考えてしまうハングル名刺など渡されたら疑念を抱くのは当然のことです。まして朝鮮半島と緊張感が高まっている現在、朝鮮名が大きく書かれた名刺などをいきなり渡されて不愉快になることも当たり前であると考えます。
これに対してこの在日社員は「一個人に国家の責任を負わせるとは・・・」という趣旨の発言をしていますが、在日は朝鮮半島の人間であり、究極的に朝鮮半島の国家が行う悪行に対して責任を求められるのは当然であり嫌なら日本から出て行けば宜しいのです。日本は在日に頼んで日本にいてもらっている訳ではなく、在日は自分の都合で勝手に日本に棲みついているだけである事を認識するべきです。

桜井誠「2006年08月04日(金) 00時02分52秒 名刺問題と韓国人のいたずら書き」赤字、太字はいずれも原文ママ

 ほーお。では、在特会が、在日朝鮮・韓国人の通名について、何と主張しているか見てみましょう。

【通名編】
Q.日本で生活するのに朝鮮名は不便だし、差別されるから通名は当然の権利じゃないの?
A.日本国民には特殊な事例を除き、法的に通用する通名なる制度は一般に認められていません。この一点のみにおいても、在日に認められている通名という制度が特権である事は間違いないでしょう。
通名制度は建前上、他の外国人にも認められていますが、通名を使用する外国人は在日以外に殆どいません。在日支那人や台湾人も自分の名前で生活している人が大半であり、「生活に不便」、或いは「差別される」という主張は在日だけが用いる戯言に過ぎないのです。
また、日本では在日による数多くの凶悪犯罪事件が起きていますが、マスコミ(特に朝日新聞系列)の多くが通名報道をしており、犯罪まみれの在日の実態を日本国民が知る事が難しくなっています。
もちろん、これは第一義的に通名報道を好んで行うマスコミの責任ですが、元々は通名制度なる異常な犯罪助長制度が存在している事こそが問題なのです。

在特会「在日特権を許さない市民の会 - 目次

博士:なっ…、
在日はそんなことしとっとね?
なんで生粋の日本人が在日特権である通名でこそこそ暮らさにゃならんとね!
ザイ子:・・・つ、通名って在日特権なん?
に、に、日本人もつかえるんとちゃうんか?
博士:届け出すれば日本人も他の国の在日外国人もつかえるさ。
ザイ子:ほな、別に在日朝鮮人だけの特権ちゃうやん?
博士:そもそも外国人が外国籍のまま本名を隠し、日本人と同じ名前で生活できる制度自体が異常と思わないかい?
それに、その通名の変更も簡単なんだ。
地域でも違うだろうが市役所に通名の使用、変更を届けるだけで可能だ。
日本人だと改名も通名の使用も、家庭裁判所の許可が必要となる。
ザイ子:通名の使用、変更が簡単なんはわかったけど、名前を変えることが悪いことなん?
博士:その通名制度を犯罪のために利用している輩がいるのが問題なんばい!!!!!!
ザイ子:わっ! びっくりした・・・博士、声おおきいわ。
博士:本名以外に別の名前が使えると言うことは、自分以外の別人になれるということだよね?
例えば一般の日本人には認められていない通名口座だって、在日が通名を使えば複数つくれてしまう可能性があるんだよ。

在特会「在日特権を許さない市民の会 - 第04話 通名編」引用者注:赤字など原文ママ、「ザイ子」「博士」は原文イラスト

 通名が「在日特権」でも何でもない事を事実上認めているのが笑えますが。はい、「朝鮮名が大きく書かれた名刺などをいきなり渡されて不愉快になることも当たり前」とヌカした輩の台詞とは思えませんね。
……………と言いたいですが、桜井氏や在特会の諸君にとってはこれが矛盾と認識されない訳です。実名では「「差別される」という主張は在日だけが用いる戯言」では無い事を、桜井氏が自ら率先して証明しているにもかかわらず。
 そう、もし本当に通名使用が問題と思っているのなら、実名で活動している徐氏を称賛しなければならないのです、桜井氏は。

 矛盾を指摘するだけなら簡単で、たとえば通名口座が一般の日本人に認められていないというのも嘘です(dondoko9876氏「2010-01-10 在特会の主張を検証する 6 【通名編】」、Yahoo!JAPAN知恵袋「本名ではなく、通名で銀行口座を開設することはできますか?」など参照)。
 付け加えるなら、桜井誠というのも通名で、実名は非公開です(税理士やっているそうな)。

 要するに、桜井氏と在特会諸君は、頭からしっぽまで人種差別主義者なので、「もっと思うままに迫害させろ!」と駄駄をこねているのに過ぎないのです。
 これは、かつてドイツのヒトラー政権が、ユダヤ人に「サラ」(女性)「イスラエル」(男性)の名前を強制したのと全く同じです。
 差別に不自由しないように、異質な存在としてマーキングして置く。従ってマーキングに邪魔な通名は非難しなければならない。しかし実名も許されない、何故なら朝鮮人は存在そのものが悪だからだ、と。こうして、一切の矛盾は人種差別の大義の前に正当化されます。

 こういう阿呆共が日本社会に跋扈しているのは宇宙の恥です。
 そして不幸な事ですが、金氏もまた実名で活動するのが、何か大それた事のように受け止められています。
 個人的な事でいえば、私は通名よりも実名が好きです。しかし、当人の自己同一性が証明出来れば、通名だからと騒ぐ必要は無いのです。


管理人 K・MURASAME       

2010/08/29 01:12     

最終更新 2011/04/09 17:46     


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