盗聴法(通信傍受法)に関する調査 第49回衆議院議員総選挙立候補者・三重県第四区編


盗聴法(通信傍受法)に関する調査 送付した文面(全文)
調査(アンケート)を送付した立候補予定者(五十音順。公示後、届け出順になります。名前欄のリンク先に回答が載っています)
立候補者年齢所属経験公式サイト
中川 民英
(なかがわ たみひで)
54共産 日本共産党 津市議会議員 中川たみひで
坊農 秀治
(ぼうの しゅうじ)
49立民三重県第4区立憲民主党 総支部長|伊勢市|ぼうの秀治
鈴木 英敬
(すずき えいけい)
[すずき ひでたか]
47自民すずき英敬 公式サイト|自民党三重県第4選挙区支部長 衆院選候補予定者・前三重県知事

 質問事項は以下の通りです。読者編・2017年衆議院総選挙編と比べ、一部の項目を加筆修正し、また追加した質問もあります。
 また、政党・政治団体への質問とは一部設問が異なります。
 今回、漫画・アニメ・ゲーム・絵画など創作物への表現規制への調査は見送りました。しかし、情勢を見て、今後行うかも知れません。
 10月25日以降、回答の寄せられた候補者から順次掲載します。掲載は五十音順、公示後は届け出順です。
 なお、公職選挙法による規制は無くなりましたが、選挙期間中は論評を加えず公開します。

おわびと訂正

 問22で、「コミックマーケット99」の開催予定を「2019[令和元]年8月」としていましたが、正しくは「2021[令和3]年12月」でした。訂正しておわびします。

盗聴法(通信傍受法)に関する調査 送付した文面(全文、個人情報のみ省略)

第49回衆議院議員総選挙 三重県第四区立候補予定者へのアンケート

前略 衆議院議員総選挙に立候補を予定され、日々のご健闘に敬意を表します。

 私は盗聴法(犯罪捜査のための通信傍受に関する法律、通信傍受法)について関心を持っている有権者です。
 2016[平成]28年5月24日、盗聴法(通信傍受法)の盗聴(通信傍受)対象拡大・要件緩和などを内容とした法案(刑事訴訟法等の一部を改正する法律に内包)が可決しました。同法は2019[令和元年]6月1日までに、すべて施行されています。
 盗聴法(通信傍受法)は1999[平成11年]の成立前後から、賛否両論から大いに議論されました。また、成立直後に警察不祥事が相次いで明らかになるなど、その後も法の是非について議論が絶えませんでした。特に、インターネットなど電子通信に対する悪影響は当初から心配されました。

 その後、盗聴法(通信傍受法)廃止論が根強くある一方、共謀罪や児童ポルノ取り締まり、組織犯罪対策などに関連し、より強化すべきとの意見も挙がりました。
 また、法案審議でも通信傍受(盗聴)の先進国として言及されたアメリカでは、エドワード=スノーデン氏によって、アメリカ国家安全保障局(NSA)による、大規模なネット、電話など通信情報を収集・監視している実態の一端が明らかになりました。イギリスの政府通信本部(GCHQ)もG20などで盗聴を行ったと報じられ、中国などその他の国・地域による盗聴も随時報じられています。

 「法制審議会−新時代の刑事司法制度特別部会」では、取調可視化導入と並行して通信傍受(盗聴)拡大が議論され、対象罪状の追加、現行法で規定されている立会人省略などが提案されました。
 2016年の改正は、法制審議会の答申に沿ったものでした。
 また、2017[平成29]年6月15日に可決した、組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律等の一部改正(共謀罪、テロ等準備罪法)の審議でも、通信傍受(盗聴)対象になるかが議論されました。結果、通信傍受(盗聴)の対象にはならないとされましたが、通信傍受(盗聴)拡大論は今なお燻っています。

 2020[令和2]年よりCOVID(コヴィツド)-19(新型コロナウイルス)が世界的に流行しました。その対策もあり、コンピュータ通信の重要性は増す一方です。と同時に、諸外国・地域による大規模な盗聴は、情報収集それ自体の脅威と、日本における盗聴(通信傍受)拡大の行き着く先を想像させます。
 また、同年に米国・英国・豪州・加奈陀(カナダ)・新西蘭(ニュージーランド)による“Five Eyes(ファイブ・アイズ)”、すなわちUKUSA(ユークーサ)協定に基づく盗聴・諜報の協力関係に、日本も加盟すべきという主張が、河野太郎防衛大臣(当時)などから行われたのも注目すべき一件です。通信傍受(盗聴)の公然たる国際協力を意味するからです。
 私は、こうした事柄は、国政選挙の争点として問われるべきと考えます。

そこでこの度、三重県選挙区に立候補された
       候補の盗聴法(通信傍受法)に対する姿勢を投票の基準とさせていただきたいと思い、以下の質問をさせていただきます。最後の22問目は、公開の可否についての質問で、非公開です。お手数ですが、回答をいただければ幸いです。

 前回行った、漫画・アニメ・ゲーム等の表現規制についての質問は、今回、「表現の自由を守る会」(https://hyogen.jp/)がアンケートを実施していますので、私の方からは行いません。「表現の自由を守る会」の調査にご協力頂ければ幸いです。なお、私は、同会とは無関係です。              草々


                  「盗聴法について考える」管理人
                     K・MURASAME(上野 良樹)
                     letssaga@gmail.com



追伸

質問とは別に、法律や関連記事のURLを同封しました。参考にしていただければ、幸いに存じます。


-------------------アンケートはここから-------------------
■問1;
犯罪捜査のための通信傍受に関する法律、盗聴法(通信傍受法)について、どの程度知っていますか。

a,よく知っている
b,ある程度は知っている
c,聞いたことはある
d,知らない

■問2;
現在施行されている盗聴法(通信傍受法)について賛成ですか、それとも反対ですか。

a.賛成  b,どちらかといえば賛成
c,反対  d,どちらかといえば反対
e,分からない  f,その他
(                            )

■問3;
問2で、「賛成」「どちらかといえば賛成」と回答された方にのみお聞きします。 その理由を教えてください。(複数回答可)

a,犯罪の摘発に役立つから  b,犯罪の抑止力になるから
c,欧米各国にある制度だから  d,国防を含めた治安維持に役立つから
e,インターネット規制に役立つから  f,反政府的な思想を取り締まれるから
g,暴力団など組織犯罪対策に有効だから  h.国際組織犯罪に有効だから
i,その他(                            )
j,分からない

■問4;
問2で、「反対」「どちらかといえば反対」と回答された方にのみお聞きします。その理由を教えてください。(複数回答可)

a,犯罪に関係がない通信も聞かれる恐れがあるから
b,警察などに監視される恐れがあるから
c,令状を出す裁判所のチェック機能に疑問があるから
e,インターネットが規制されるから  f,反政府的な思想が取り締まられるから
g,暴力団など組織犯罪対策に有効でないから  h.国際組織犯罪に有効ではないから
i,その他(                            )
j,分からない

■問5;盗聴法(通信傍受法)について、普段どう呼んでいますか。

a,盗聴法  b,通信傍受法  c,組織犯罪対策法
d,犯罪捜査のための通信傍受に関する法律  e,秘聴法
f,傍聴法  g,自由盗聴法
h,その他(             )  i,特に決めていない
j,分からない

■問6;
盗聴法(通信傍受法)について、組織犯罪対策に効果があったと思いますか。それとも、なかったと思いますか。

a,適正な効果があった  b,効果はあったが、十分ではなかった
c,効果はないが、他の犯罪に効果があった  d,全く効果はなかった
e,その他(                            )
f,分からない

■問7;
盗聴法(通信傍受法)はインターネット(Web・SNS・電子メールなど)、コンピュータ通信が対象に含まれています。このことは、コンピュータ通信にとって、よい影響があったと思いますか。それとも、悪い影響があったと思いますか。

a,よい影響があった  b,どちらかといえば、よい影響があった
c,どちらかといえば、悪い影響があった  d,悪い影響があった
e,どちらの影響もなかった  f,わからない
g,その他(                            )

■問8;
盗聴法(通信傍受法)第一条には「数人の共謀によって実行される」組織犯罪対策の法律とありますが、数人とは二人以上を指します(衆議院法務委員会(1999(平成11)年5月21日)・法務省の松尾邦弘刑事局長答弁)。このことはご存じですか。

a,知らない
b,知っている

■問9;
2016[平成28]年の改正で追加された盗聴法(通信傍受法)第二条の4以下及び第二十条以下では、
通信の暗号・復号と一時的保存の規定が追加されました。
これは盗聴(傍受)対象者が使用する通話・コンピュータ通信の内容を一括して記録し、
また通信業者より警察施設に盗聴(傍受)内容を電送し、警察施設での復号・閲覧を
可能にするものです。このことはご存じですか。

a,知らない
b,知っている

■問10;
盗聴法(通信傍受法)は日本國憲法上、合憲と思いますか。それとも、違憲と思いますか。

a,合憲
b,違憲
c,どちらとも言えない
d,その他(                        )
e,分からない

■問11,日本國憲法二十一条にある通信の秘密不可侵についておたずねします。この規定は維持すべきでしょうか、それとも改変すべきでしょうか。

a,維持すべきである  b,改憲し、憲法で制限を明記すべきである
c,改憲し、憲法で権利をより強調すべきである
d,改憲し、プライバシー権を創設してその中に統合すべきである
e,その他(                                   )
f,分からない

■問12;
盗聴法(通信傍受法)の今後について、どうすれば良いと思いますか。

a,盗聴(通信傍受)を拡大すべきである
b,改正前の内容に戻すべきである
c,改正前よりさらに盗聴(通信傍受)の制限を厳しくするべきである
d,今のままでよい
e,廃止すべきである
f,その他
g,分からない

■問13;問12で、aまたはcと回答された方のみお聞きします。盗聴(通信傍受)をどのように拡大、または縮小するべきか、具体的に挙げて下さい。(自由回答)













■問14,2012年[平成24年]7月3日に批准した「サイバー犯罪に関する条約」第二十一条では、では「通信内容の傍受」について、「必要な立法その他の措置をとる」と定めています。これについては、どう考えていますか。

a,2016年の法改正で十分である
b,2016年の法改正では不十分なので、さらなる法改正が必要である
c,法改正を行わず、様子を見るべきである
d,法改正を行わず、盗聴法(通信傍受法)に関する条文では、批准を留保または破棄すべきである
e,その他(                                          )
f,分からない

■問15,同じく、「サイバー犯罪に関する条約」第二十九条では、条約締結国は、コンピュータ・データの保全を他の締結国に要請することができ、「他の条約締結国から要請を受けた場合」「締約国は、要請に応ずるに当たり、双罰性をその保全を行うための条件として要求してはならない」と定めています。要請国の法で要請可能な罪状ならば、相手国で罪にならない内容でも構わないというものですが、これについては、どう考えていますか。

a,特に構わない
b,要請国に合わせ、自国の法も改正するべきである
c,法改正を行わず、盗聴法(通信傍受法)に関する条文では、批准を留保または破棄すべきである
d,その他(                                          )
e,分からない

■問16,
2017[平成29]年6月15日成立した組織犯罪処罰法改正の、いわゆる共謀罪、テロ等準備罪新設についてどうお考えですか。

a,賛成
b,反対
c,その他(                        )
d,分からない

■問17,諸外国・地域による盗聴(通信傍受)について、どのように対処すべきとお考えですか。(複数回答可)

a,何もしない
b,システム暗号化など、セキュリティを強化する
c,盗聴(通信傍受)に関する教育を進める
d,通信に関わる企業・団体へのチェックを厳しくする
e,対抗して盗聴(通信傍受)を行う
f,外交問題として取り上げる
g,コンピュータ・電話によらない通信を利用する
h,逆に協力して情報を得る
i,その他(


                                                )
j,分からない

■問18,元NSA(アメリカ国家安全保障局)職員のエドワード=スノーデン氏は、NSAが日本を対象にした盗聴、諜報活動を行っていると告発しました。この告発は、信用できるとお考えでしょうか。それとも、信用できないとお考えでしょうか。

a,信用できる  b,信用できない
c,どちらともいえない  d,分からない

■問19,NSAなどによる日本大使館盗聴疑惑について、日本政府は「日米間でしかるべき実態把握のための意思疎通を行ったところでございますが、事柄の性質上、その詳細を公で申し上げるのは差し控えさせていただきたい」(参議院外交防衛委員会(2019[令和元]年5月9日)・河野太郎外務大臣)と答弁しました。 政府は詳細を公表すべきとお考えでしょうか。それとも、公表すべきでないとお考えでしょうか。
 
a,すぐに公表すべきである  b,時期を見て公開すべきである
c,将来にわたって公表すべきでない  d,分からない


■問20,仮に、諸外国・地域の諜報機関が、盗聴の協力を持ちかけてきた場合、どのように対応すべきと考えますか。
a,応じる  b,状況によっては応じる
c,応じない  d,その他(                        )
e,分からない

■問21, 米国・英国・豪州・カナダ・ニュージーランドによる諜報機関の協力協定、Five Eyes(ファイブ・アイズ)(UKUSA協定)についての質問です。2020[令和2]年7月21日、当時の河野太郎防衛大臣が「Five EyesをSix Eyesに変える」考えを明らかにしました。Five Eyesへの加盟に賛成でしょうか。それとも、反対でしょうか。
a,賛成  b,部分的な協力なら賛成
c,反対  d,その他(                         )
e,分からない

■問22,
本調査の内容は、インターネット(http://murasame.s42.xrea.com/)および漫画を中心とした同人誌即売会「コミックマーケット」(8月および12月開催)で頒布予定です。2021[令和3]年12月開催予定の「コミックマーケット99」に、サークル「我(が)流(りゆう)のすき焼き鍋」として参加予定です。公開して差し支えないでしょうか? なお、この質問および回答を公開することはありません。

a,差し支えない
b,インターネットのみ
c,コミックマーケットのみ
d,投票終了後(10/31 20時以降)なら差し支えない
e,いずれも差し支えがある
f,その他(                                 
            )


■ご協力いただきありがとうございました。


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