盗聴法(通信傍受法)に関する調査 送付した文面(全文)
立候補者 | 年齢 | 所属 | 経験 | 公式サイト |
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(10/21更新)中川 民英 (なかがわ たみひで) | 57 | 共産 | 再 | 日本共産党 津市議会議員 中川たみひで |
青沼陽一郎 (あおぬま よういちろう) | 56 | 立民 | 新 | [公式] 青沼陽一郎 Official Website |
鈴木 英敬 (すずき えいけい) [すずき ひでたか] | 50 | 自民 | 前1 | すずき英敬 公式サイト|衆議院議員・前三重県知事 自由民主党三重県第四選挙区支部長 |
質問事項は以下の通りです。読者編・2021年衆議院総選挙編と比べ、一部の項目を加筆修正し、また追加した質問もあります。
また、政党・政治団体への質問とは一部設問が異なります。
前回に引き続き、漫画・アニメ・ゲーム・絵画など創作物への表現規制への調査は見送りました。しかし、情勢を見て、今後行うかも知れません。
10月21日以降、回答の寄せられた候補者から順次掲載します。掲載は五十音順、公示後は届け出順です。
なお、公職選挙法による規制は無くなりましたが、選挙期間中は論評を加えず公開します。
第50回衆議院議員総選挙 三重県第四区立候補予定者へのアンケート
前略 衆議院議員総選挙に立候補を予定され、日々のご健闘に敬意を表します。
盗聴法(通信傍受法)は1999[平成11年]の成立前後から、賛否両論から大いに議論されました。また、成立直後に警察不祥事が相次いで明らかになる一方、特にインターネットなど電子通信に対する悪影響は当初から心配されました。他方で、共謀罪や児童ポルノ取り締まり、組織犯罪対策などを理由とした盗聴(通信傍受)拡大も主張されるなど、成立後も法の是非について議論が絶えませんでした。
また、法案審議でも通信傍受(盗聴)の先進国として言及されたアメリカでは、エドワード=スノーデン氏によって、アメリカ国家安全保障局(NSA)による、大規模なネット、電話など通信情報を収集・監視している実態の一端が明らかになりました。イギリスの政府通信本部(GCHQ)、ロシア対外情報庁(SVR)、中国国家安全部、イスラエル諜報特務庁(Mossad)など他国・地域による盗聴も随時報じられています。
2011[平成23]年より始まった「法制審議会−新時代の刑事司法制度特別部会」では、取調可視化導入と並行して通信傍受(盗聴)拡大が議論され、対象罪状の追加、現行法で規定されている立会人省略などが提案されました。
2016[平成28]年5月24日、盗聴法(通信傍受法)の盗聴(通信傍受)対象拡大・要件緩和などを内容とした法案(刑事訴訟法等の一部を改正する法律に内包)が可決しました。これらは法制審議会の答申に基づく内容でした。同法は2019[令和元年]6月1日までに、すべて施行されています。
また、同時に施行された刑事訴訟法附則第九条により、施行後3年おきに取調可視化などの「制度の在り方について検討を加え」るものとされました。これに基づき、2022[令和4]年5月31日、「改正刑訴法に関する刑事手続の在り方協議会」開催が閣議決定され、これまでに15回開催されました。
法務省によると、協議会では通信傍受(盗聴)拡大も議論するとしており、現時点ではこれまでの執行状況が話し合われています。
国際的には、2020[令和2]年に米国・英国・豪州・加(カ)奈(ナ)陀(ダ)・新西蘭(ニュージーランド)による“Five Eyes(ファイブ・アイズ)”、すなわちUKUSA(ユークーサ)協定に基づく盗聴・諜報の協力関係に、日本も加盟すべきという主張が、河野太郎防衛大臣(当時)などから行われたのも注目すべき一件です。盗聴(通信傍受)の公然たる国際協力を意味するからです。
また、より幅広いサイバーセキュリティの協力も協議されていますが、イスラエル・NSO社のスパイウェア「Pegasus」が各国に納入され、サウジアラビアで記者暗殺に利用されたなど、通信の秘密侵害を前提とした技術協力が指摘されています。
他方、2022[令和4]年、ロシアがウクライナの全面侵略に踏み切りました。通信妨害などを織り交ぜた「ハイブリッド戦争」と称され、ここでもコンピュータ通信が大きな役割をしています。
私は、近い将来の改正案を前提とした「改正刑訴法に関する刑事手続の在り方協議会」の協議が進行中の現状で、こうした事柄は、国政選挙の争点として問われるべきと考えます。
そこでこの度、三重県第四区に立候補された
候補の盗聴法(通信傍受法)に対する姿勢を投票の基準とさせていただきたいと思い、以下の質問をさせていただきます。最後の22問目は、公開の可否についての質問で、非公開です。お手数ですが、回答をいただければ幸いです。
草々
K・MURASAME
E-Mail:letssaga@gmail.com
追伸
質問とは別に、法律や関連記事のURLを同封しました。参考にしていただければ、幸いに存じます。
-------------------アンケートはここから-------------------
■問1;
犯罪捜査のための通信傍受に関する法律、盗聴法(通信傍受法)について、どの程度知っていますか。
a,よく知っている
b,ある程度は知っている
c,聞いたことはある
d,知らない
■問2;
現在施行されている盗聴法(通信傍受法)について賛成ですか、それとも反対ですか。
a.賛成 b,どちらかといえば賛成
c,反対 d,どちらかといえば反対
e,分からない f,その他
( )
■問3;
問2で、「賛成」「どちらかといえば賛成」と回答された方にのみお聞きします。
その理由を教えてください。(複数回答可)
a,犯罪の摘発に役立つから b,犯罪の抑止力になるから
c,欧米各国にある制度だから d,国防を含めた治安維持に役立つから
e,インターネット規制に役立つから f,反政府的な思想を取り締まれるから
g,暴力団など組織犯罪対策に有効だから h.国際組織犯罪に有効だから
i,その他( )
j,分からない
■問4;
問2で、「反対」「どちらかといえば反対」と回答された方にのみお聞きします。その理由を教えてください。(複数回答可)
a,犯罪に関係がない通信も聞かれる恐れがあるから
b,犯罪の摘発に役立たないから
c,警察などに監視される恐れがあるから
d,令状を出す裁判所のチェック機能に疑問があるから
e,インターネットが規制されるから f,反政府的な思想が取り締まられるから
g,暴力団など組織犯罪対策に有効でないから h.国際組織犯罪に有効ではないから
i,その他( )
j,分からない
■問5;盗聴法(通信傍受法)について、普段どう呼んでいますか。
a,盗聴法 b,通信傍受法 c,組織犯罪対策法
d,犯罪捜査のための通信傍受に関する法律 e,秘聴法
f,傍聴法 g,自由盗聴法
h,その他( ) i,特に決めていない
j,分からない
■問6;
盗聴法(通信傍受法)について、組織犯罪対策に効果があったと思いますか。それとも、なかったと思いますか。
a,適正な効果があった b,効果はあったが、十分ではなかった
c,効果はないが、他の犯罪に効果があった d,全く効果はなかった
e,その他( )
f,分からない
■問7;
盗聴法(通信傍受法)はインターネット(Web・SNS・電子メールなど)、コンピュータ通信が対象に含まれています。このことは、コンピュータ通信にとって、よい影響があったと思いますか。それとも、悪い影響があったと思いますか。
a,よい影響があった b,どちらかといえば、よい影響があった
c,どちらかといえば、悪い影響があった d,悪い影響があった
e,どちらの影響もなかった f,わからない
g,その他( )
■問8;
盗聴法(通信傍受法)第一条には「数人の共謀によって実行される」組織犯罪対策の法律とありますが、数人とは二人以上を指します(衆議院法務委員会(1999(平成11)年5月21日)・法務省の松尾邦弘刑事局長答弁)。このことはご存じですか。
a,知らない
b,知っている
■問9;
2016[平成28]年の改正で追加された盗聴法(通信傍受法)第二条の4以下及び第二十条以下では、
通信の暗号・復号と一時的保存の規定が追加されました。
これは盗聴(傍受)対象者が使用する通話・コンピュータ通信の内容を一括して記録し、
また通信業者より警察施設に盗聴(傍受)内容を電送し、警察施設での復号・閲覧を
可能にするものです。このことはご存じですか。
a,知らない
b,知っている
■問10;
盗聴法(通信傍受法)は日本國憲法上、合憲と思いますか。それとも、違憲と思いますか。
a,合憲
b,違憲
c,どちらとも言えない
d,その他( )
e,分からない
■問11,日本國憲法二十一条にある通信の秘密不可侵についておたずねします。この規定は維持すべきでしょうか、それとも改変すべきでしょうか。
a,維持すべきである b,改憲し、憲法で制限を明記すべきである
c,改憲し、憲法で権利をより強調すべきである
d,改憲し、プライバシー権を創設してその中に統合すべきである
e,その他( )
f,分からない
■問12;
盗聴法(通信傍受法)の今後について、どうすれば良いと思いますか。
a,盗聴(通信傍受)を拡大すべきである
b,改正前の内容に戻すべきである
c,改正前よりさらに盗聴(通信傍受)の制限を厳しくするべきである
d,今のままでよい
e,廃止すべきである
f,その他
g,分からない
■問13;問12で、aまたはcと回答された方のみお聞きします。盗聴(通信傍受)をどのように拡大、または縮小するべきか、具体的に挙げて下さい。(自由回答)
■問14;2022[令和4]年5月31日、「改正刑訴法に関する刑事手続の在り方協議会」の開催が閣議決定
され、現在は第15回まで行われています。
協議会の進行についてお聞かせください。
1.速やかに結論を出すべきである 2.時間を掛けて議論すべきである
3.協議会の仕組みを見直すべきである 4.その他( )
5.分からない
■問15;「改正刑訴法に関する刑事手続の在り方協議会」構成員は10人です。この規模は適正でしょうか。それとも、不適正でしょうか。
1.適正な人数である 2.より人数を増やすべきである
3.より人数を減らすべきである 4.その他( )
5.分からない
■問16;「改正刑訴法に関する刑事手続の在り方協議会」構成員の内訳は、新聞記者1人、弁護士2人、大学教授2人、法務省1人、警察庁1人、裁判官2人、検察庁1人です。この内訳は適正でしょうか、それとも、不適正でしょうか。
1.適正である 2.不適正であり、他に必要な構成員を追加すべきである(例: )
3.不適正であり、不要な構成員を外すべきである(例: )
4.その他( ) 5.分からない
■問17;2012年[平成24年]7月3日に批准した「サイバー犯罪に関する条約」第二十一条では、では「通信内容の傍受」について、「必要な立法その他の措置をとる」と定めています。これについては、どう考えていますか。
a,2016年の法改正で十分である
b,2016年の法改正では不十分なので、さらなる法改正が必要である
c,法改正を行わず、様子を見るべきである
d,法改正を行わず、盗聴法(通信傍受法)に関する条文では、批准を留保または破棄すべきである
e,その他( )
f,分からない
■問18;同じく、「サイバー犯罪に関する条約」第二十九条では、条約締結国は、コンピュータ・データの保全を他の締結国に要請することができ、「他の条約締結国から要請を受けた場合」「締約国は、要請に応ずるに当たり、双罰性をその保全を行うための条件として要求してはならない」と定めています。要請国の法で要請可能な罪状ならば、相手国で罪にならない内容でも構わないというものですが、これについては、どう考えていますか。
a,特に構わない
b,要請国に合わせ、自国の法も改正するべきである
c,法改正を行わず、盗聴法(通信傍受法)に関する条文では、批准を留保または破棄すべきである
d,その他( )
e,分からない
■問19;諸外国・地域による盗聴(通信傍受)について、どのように対処すべきとお考えですか。(複数回答可)
a,何もしない
b,システム暗号化など、セキュリティを強化する
c,盗聴(通信傍受)に関する教育を進める
d,通信に関わる企業・団体へのチェックを厳しくする
e,対抗して盗聴(通信傍受)を行う
f,外交問題として取り上げる
g,コンピュータ・電話によらない通信を利用する
h,逆に協力して情報を得る
i,その他(
)
j,分からない
■問20;元NSA(アメリカ国家安全保障局)職員のエドワード=スノーデン氏は、NSAが日本を対象にした盗聴、諜報活動を行っていると告発しました。この告発は、信用できるとお考えでしょうか。それとも、信用できないとお考えでしょうか。
a,信用できる b,信用できない
c,どちらともいえない d,分からない
■問21;仮に、諸外国・地域の諜報機関が、盗聴の協力を持ちかけてきた場合、どのように対応すべきと考えますか。
a,応じる b,状況によっては応じる
c,応じない d,その他( )
e,分からない
■ご協力いただきありがとうございました。
参考条文・条約
犯罪捜査のための通信傍受に関する法律
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H11/H11HO137.html
刑事訴訟法等の一部を改正する法律
http://www.moj.go.jp/content/001184610.pdf
サイバー犯罪に関する条約
http://www.mofa.go.jp/Mofaj/Gaiko/treaty/pdfs/treaty159_4a.pdf 外務省訳
http://conventions.coe.int/Treaty/EN/Treaties/Html/185.htm 英語正文
情報処理の高度化等に対処するための刑法等の一部を改正する法律
http://www.shugiin.go.jp/itdb_gian.nsf/html/gian/honbun/houan/g17705042.htm
法制審議会−新時代の刑事司法制度特別部会
http://www.moj.go.jp/shingi1/shingi03500012.html
配布資料62 作業分科会における検討(1)
http://www.moj.go.jp/content/000111817.pdf
組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律等の一部を改正する法律
http://www.moj.go.jp/keiji1/keiji12_00142.html
改正刑訴法に関する刑事手続の在り方協議会
https://www.moj.go.jp/shingi1/shingi06100001_00053.html
NSA・GCHQなどによる情報収集
Uniting and Strengthening America by Providing Appropriate Tools Required to Intercept and Obstruct Terrorism Act of 2001(米愛国者法)
http://www.gpo.gov/fdsys/pkg/PLAW-107publ56/pdf/PLAW-107publ56.pdf
Foreign Intelligence Surveillance Act of 1978(米外国諜報活動偵察法)
http://www.gpo.gov/fdsys/pkg/STATUTE-92/pdf/STATUTE-92-Pg1783.pdf
Edward Snowden: the whistleblower behind the NSA surveillance revelations Monday 10 June 2013
(英ガーディアン紙によるスノーデン氏インタビュー)
http://www.guardian.co.uk/world/2013/jun/09/edward-snowden-nsa-whistleblower-surveillance
(on 2015-07-31) Target Tokyo(WikiLeaks、英語)
https://wikileaks.org/nsa-japan/
アメリカに監視される日本 〜スノーデン“未公開ファイル”の衝撃〜
https://www.nhk.or.jp/gendai/articles/3965/index.html
【携帯電話がスパイの役割】監視から遠隔操作まで…イスラエルのハッキングとAI技術の急速な進展に日本も他人事ではない理由
https://wedge.ismedia.jp/articles/-/33160
http://www.nsa.gov/ NSA公式
http://www.gchq.gov.uk/Pages/homepage.aspx GCHQ公式