盗聴法シリーズ(14) 盗聴法成立史(4・政権交代その後)


《第八部 民主党連立政権にて》
2009[平成21]年 9月11日 ロシア最高裁がこの日までに発表したところによると、今年1〜6月に同国捜査当局(連邦保安庁(FSB)、内務省)が裁判所の許可を得て盗聴した電話は前年度比33.6%増の64,477件、開封した手紙は前年度比1.6%減の114,589通だった。2007年の水準に比べ、電話で69%、手紙で21%増加している。
9月16日 麻生内閣総辞職。
 第172回特別国会開会。民主党代表の鳩山由紀夫氏が、第93代内閣総理大臣となる。民主・社民・国新3党連立政権発足。
9月17日 中井洽国家公安委員長が記者会見で、おとり捜査の拡大や司法取引導入を主張。盗聴の拡大については、「捜査当局やら検察や裁判所や、いろんな所のご意見」を聞き、また法の整備が必要と答えた。
9月19日 第172回特別国会閉会。
10月26日 第173回臨時国会開会。
12月4日 第173回臨時国会閉会。
2010[平成22]年 1月18日 第174回通常国会開会。
1月28日 警察庁、中井国家公安委員長の私的研究会として「捜査手法、取調べの高度化を図るための研究会」発足を発表。委員は前田雅英座長を始め12人。取調可視化よりも、盗聴・おとり捜査の強化、司法取引導入など「捜査手法の高度化」に力点が置かれている。
2月5日 千葉景子法務相(民主)は、閣議で2009年中の盗聴法による盗聴内容を発表。7件の薬物密売や拳銃所持事件で実施され、33人を逮捕したと発表。件数は前年より4件、逮捕者は1人減。
 また、「捜査手法、取調べの高度化を図るための研究会」第1回会議開催。
4月7日 参議院国際・地球温暖化問題に関する調査会。慶應大教授の土屋大洋参考人はサイバー攻撃の専門家として、マルウェア(コンピュータウイルス、スパイウェアなど悪意のプログラムの総称)の脅威の他、国際的なサイバーテロについて解説。さらに、米国・オバマ政権が、ブッシュ政権の非合法盗聴を追って合法化した事などに触れ、国会のチェックが必要としつつも、日本も犯罪捜査のみならず「テロ対策、安全保障のための通信傍受」と主張した。
4月10日 平沼赳夫氏と、自民党を離党した与謝野馨氏(いずれも無所属)らが、たちあがれ日本を結党。
4月23日 改革クラブ、前日自民党を離党した舛添要一氏を代表に迎え、新党改革と改称。
5月25日 衆議院本会議で、吉田信行国家公安委員の後任に、弁護士で元日本弁護士連合会副会長の山本剛嗣氏を起用する人事が同意(任命日は5月27日)。従来マスメディア枠だった委員が、弁護士の手に渡った事になる。
5月28日 鳩山首相、米軍普天間(ふてんま)基地(沖縄県宜野湾市)の県内・名護市辺野古(へのこ)移転を閣議決定。反対した福島瑞穂消費者・少子化担当相(社民)を罷免。
5月30日 社民、与党離脱。
6月4日 鳩山内閣総辞職。民主党の菅直人氏が、衆参両院で第94代内閣総理大臣に指名される。
6月8日 菅氏、内閣総理大臣に任命され、民主・国新2党連立政権発足。任命が遅れたのは、天皇(明仁天皇)が葉山御用邸で静養していたため。
6月10日 イタリア上院で、盗聴規制法案が通過。盗聴要件を従来の「犯罪の疑い」から「明確な犯罪の証拠」が必要となるなど、盗聴に歯止めを掛ける内容。しかし、盗聴で得た情報を、起訴前に報じる事を禁じ、また盗聴で発覚した政治家スキャンダルも多い事から、メディア規制法であるとして強い反対が起こっている。イタリア司法省によると、2009年に実施された電話盗聴は119000回線で、「欧州でも飛び抜けて多い」(『朝日新聞』2010年7月10日「イタリア、報道沈黙の日 盗聴規制法に抗議、記者らスト」)という。
6月16日 第174回通常国会閉会。
6月17日 東京高検検事長の大林宏氏が、第25代最高検察庁検事総長となる。
6月24日 第22回参議院通常選挙公示。
7月11日 第22回参議院通常選挙投開票。与党は民主44、国新0。野党は自民51、みんな10、公明9、共産3、社民2、た日1、改革1。他の政党は創新、女性、幸福などいずれも0。また無所属も0。
 この結果、盗聴法賛成派は自公+民主自由系+α+た日+改革で67、反対派は47、態度不明その他(みんなの大部分など)7となった。与党は全体で13議席減と敗北し、与党系無所属を足しても過半数割れ。与野党逆転した。また、再び盗聴法賛成派が院の多数を占めた。参議院全体では、全242議席中、盗聴法賛成派が125、反対派が106、態度不明が11となった。
7月26日 辻元清美代議士(社民)、離党表明。
7月30日 第175回臨時国会開会。
8月6日 第175回臨時国会閉会。
8月15日 盗聴法施行10周年。
8月19日 社民党、辻元氏の離党を受理。
9月28日 米国『Washington Post』紙によると、米オバマ政権は、SNS「フェースブック」、簡易ブログ「ツイッター」、インターネット経由の無料ビデオ通話「スカイプ」運営企業に対し、政府の盗聴・監視を可能にする技術導入の義務化を検討と報じた。
 この日、辻元氏は無所属として衆議院の院内会派「民主党・無所属クラブ」入会。
10月1日 第176回臨時国会開会。
12月2日 共同通信によると、菅内閣は「共通番号制度」を導入する方針を固めた。システム開発など、導入までに3〜4年掛かるという。
12月3日 第176回臨時国会閉会。
12月15日 東京都議会本会議で、自民、公明、民主、創新の賛成、共産、ネットなどの反対の結果、東京都青少年健全育成条例改正が成立。従来反対していた民主が切り崩され、可決した。
12月25日 スペイン紙"El Pais"によると、中米パナマのマルティネリ大統領が昨年、駐パナマ米大使に対し、政敵の盗聴に協力するよう要請、大使が断ったところ、麻薬犯罪対策で米国との協力を拒否する可能性をほのめかしたと伝えた。内部告発ウェブサイト「WikiLeaks(ウィキリークス)」が入手した米国の外交公電の情報という。パナマ政府はこれを否定し、米側の「誤解」として遺憾の意を表明。
12月27日 東京高検検事長の笠間治雄氏が、第26代最高検察庁検事総長となる。
2011[平成23]年 1月24日 第177回通常国会開会。
2月4日 江田五月法務相(民主)は、閣議で2010年中の盗聴法による盗聴内容を発表。10件の薬物密売や拳銃所持事件で実施され、47人を逮捕したと発表。件数は前年より3件、逮捕者は14人増。
 江田法務相は「通信傍受は、相応の効果を挙げており、捜査当局においては、今後とも、通信傍受を有効適切に活用していく方針だと思っております。」と述べた。
3月11日14:46:18.1 宮城県牡鹿半島の東南東130km、仙台市の東方70kmの太平洋海底を震源とした地震が発生(東北地方太平洋沖地震、東日本大震災)。マグニチュード8.8(のち9.0と訂正)、最大震度は宮城県栗原市で観測された震度7。
 警察庁によると、2013[平成25]年12月10日現在、被害は死者15883人、行方不明者2643人、負傷者6150人、建物全壊126622棟、床上浸水3352棟、道路損壊4198箇所、橋梁被害116箇所、山崖崩れ207箇所、堤防決壊45箇所、鉄軌道29箇所など。
 日本観測史上最大の地震であり、第二次世界大戦後最悪の被害となった。
地震直後 東北電力女川原子力発電所が自動停止。東京電力福島第一原子力発電所、第二原発、日本原子力発電東海第二原発も合わせ、停止は計11基に。
14:49 気象庁、岩手、宮城、福島、青森、茨城、千葉の太平洋沿岸などに大津波警報発令。
14:50 首相官邸危機管理センターに官邸対策室設置。菅直人首相は直後に国会から官邸へ戻った。
14:52 岩手県知事が陸上自衛隊に災害派遣を要請。続いて宮城、福島、青森の3知事も要請。陸海空の計約8千人が出動。
14:55頃 太平洋津波警報センター(米ハワイ)がロシアや北マリアナ諸島などに津波警報。
15:32 岩手県釜石市で最大4.2メートルの津波、港で車が多数流される。続いて各地で津波により甚大な被害。
16:00 気象庁が1回目の記者会見。地震を「平成23(2011)年東北地方太平洋沖地震」と命名。
16:55 菅直人首相(民主)は、官邸での記者会見で「国民の安全を確保し被害を最小限に抑えるため、政府として総力を挙げる」と表明した。
19:03 菅首相、福島第一原発について原子力災害対策特別措置法に基づく「原子力緊急事態宣言」を発令。
20:01 枝野幸男官房長官(民主)は、福島第一原発をめぐる原子力緊急事態宣言について、対象区域内の居住者らは現時点で特別な行動を起こす必要はないと述べた。
21:10 福島県、東京電力福島第一原発2号機から半径2qの住民に避難を呼び掛け。
21:36 警察庁によると、死者は21時現在、7都県で60人。
22:26 宮城県警によると、仙台市若林区荒浜で200〜300人の遺体が見つかった。
3月12日 0:37 宮城県の女川原発1号機のタービン建屋火災は前日午後11時前に鎮火。放射能の影響はないという。
3:22 海江田万里経産相(民主)、福島第一原発1号機の格納容器内の圧力を下げるために弁を開くと発表。
6:19 原子力安全・保安院は菅直人の指示により5:44、福島第一原発周辺の避難指示区域を半径3qから10qに拡大と発表。
9:08 政府が、福島第二原発から半径3q以内の範囲に避難、10q以内に屋内退避を指示。
9:11 経済産業省原子力安全・保安院が東京電力に対し、福島第一原発1、2号機の格納容器内の蒸気を外部に放出するよう命令。
10:17 福島第一原発1、2号機の蒸気放出作業(ベント)開始。
12:13 東京電力によると、福島第一原発の正門付近の放射線量が9:10現在で通常時の70倍以上に達した。
14:00 原子力安全・保安院は、福島第一原発1号機で原子炉の心臓部が損なわれる「炉心溶融が進んでいる可能性がある」と発表。
14:14 原子力安全・保安院が福島第一原発1号機周辺で放射性物質のセシウムを検出と発表。
14:30 福島第一原発1、2号機の蒸気放出作業成功。しかし、作業員の男性は10分ほどの作業で人間が1年間に浴びても良いとされる放射線量の100倍以上に相当する106.3ミリシーベルト(約10万マイクロシーベルト)の放射線を浴び、吐き気やだるさを訴え病院に搬送された。
15:36頃 福島第一原発1号炉付近で水素ガス爆発。東京電力社員2名、協力会社の社員2名が負傷。
16:06 原子力安全・保安院は、福島第一原発1号機の圧力容器内に東電が消防ポンプで海水を直接注入、冷却すると発表。
17:50 福島県によると、福島第一原発1号機の敷地内の放射線量が1時間に1015マイクロシーベルト(1.015ミリシーベルト)と、一般人が年間に受ける限度量(1ミリシーベルト)に相当する値を示した。
 また、枝野官房長官が「何らかの爆発的事象があった。放射性物質の数値は想定の範囲内」とコメント。
18:25 政府、福島第一原発20km圏内住民に避難指示。
23:03 原子力安全・保安院担当者が「環境中の放射線モニタリングの値が下がっており、現時点で炉心溶融(メルトダウン)が進行しているとは考えていない」とコメント。
23:15 福島県によると、福島第一原発の3q圏内から避難してきた3人が被曝していた。
23:31 原子力安全・保安院担当者は、福島第一原発1号機の事故は、原子力事故・トラブルの国際評価尺度で1999年の東海村臨界事故に匹敵する「レベル4」に相当するとコメント。
3月13日 7:30 気象庁が東北太平洋側の津波警報を注意報に切り替え。津波警報の発令地域無くなる。
17:58 気象庁、津波注意報解除。
20:31 東京電力の清水正孝社長は、記者会見で「放射性物質の漏えいにより、社会にご心配とご迷惑をお掛けし、心よりおわび申し上げます」と謝罪。辞任は否定。
3月18日 文部科学省、福島第一原発周辺の放射線の量について測定結果を発表。原発から北西におよそ30q離れた地点で、17日に続いて1時間当たり100マイクロシーベルト台の比較的高い値を検出。その他の地点では普段よりやや高いが、直ちに健康には影響の無いレベルとした。
 枝野官房長官は、「直ちに人体に影響を与える値ではない。地形や風向きなどの気象状況にも左右されるので、モニタリングを強化して詳細にデータを分析していく」「この値が長期間続くという可能性が万一あれば、しっかり対応する」と述べた。
3月25日 枝野官房長官は記者会見で、福島第一原発20〜30km圏内住民に自主避難が望ましいと勧告。
3月31日 法務省「検察の在り方検討会議」(千葉景子座長)は、「検察の再生に向けて」と題する報告書を発表(http://www.moj.go.jp/content/000072551.pdf)。足利事件、布川事件、氷見事件、志布志事件などの冤罪事件や、村木事件における大阪地検特捜部による証拠改竄、犯人隠しを契機として行われたもので、検察に批判的な外部有識者による研修、外部からのチェック、取調べ可視化を含む新たな司法制度構築などを提言した。
4月1日 菅内閣は閣議で、東北地方太平洋沖地震による震災を「東日本大震災」と呼ぶ事に決定。
4月12日 経済産業省は、福島第一原発事故を、国際原子力事故評価尺度(INES)で最も深刻な事故に当たる「レベル7」に暫定的に引き上げと発表。
5月2日 米軍、パキスタンに潜伏していたビンラーディン氏を暗殺。菅首相は「テロ対策の顕著な前進を歓迎する」と評価した。パキスタンは暗殺を知らされておらず、議会などは主権侵害と反発(14日に議会で対米関係の再考を求める決議を採択)。
5月18日 江田法務相は、検察の在り方検討会議の提言に基づき、法務省・法制審議会に対して取調べ可視化などの法制化に向けた諮問を行った。
5月21日 タイ法務省の特別捜査局(DSI)は、タイ王室への不敬罪に当たるサイトを取り締まるため、ネット監視を強める事を情報技術省及び警察に指示。
6月29日 法制審議会で、新時代の刑事司法制度特別部会(本田勝彦部会長、椎橋隆幸部会長代行。http://www.moj.go.jp/shingi1/shingi03500012.html)が発足。江田法務相の諮問を受けたもので、取調べ可視化や捜査手法の見直しなどを議論する予定。
8月31日 第177回通常国会閉会。
9月2日 菅内閣総辞職。民主党の野田佳彦氏が、衆参両院で第95代内閣総理大臣に指名される。
9月13日 第178回臨時国会開会。
9月30日 第178回臨時国会閉会。
10月20日 第179回臨時国会開会。
11月17日 警察庁次長の片桐裕氏が、第23代警察庁長官に就任。
12月9日 第179回臨時国会閉会。
12月26日 小川洋福岡県知事と北橋健治北九州市長らが法務省を訪問。平岡秀夫法務相(民主)に、暴力団対策のための盗聴要件の緩和、おとり捜査、司法取引等の制度化などを要請した。
 福岡県では2011年に全国最多となる18件の発砲事件があり、大半が暴力団関係という。
12月28日 新党大地が、民主離党議員と合同し「大地・真民主党」と改名。
2012[平成24]年 1月4日 民主党の公約違反(消費税増税)を不服として離党届けを出した内山晃氏らが、新党きづなを結党。
1月5日 大地・新民主党が「新党大地・真民主」と改名。
1月24日 第180回通常国会開会。
2月3日 小川敏夫法務相(民主)は、閣議で2011年中の盗聴法による盗聴内容を発表。警察が令状請求した27件中、薬物密売や拳銃所持事件など25件で認められ実施、22人を逮捕したと発表。件数は前年より15件増、逮捕者は25人減。盗聴法施行後、盗聴令状が却下された例が出たのは初めて。
2月23日 警察庁「捜査手法、取調べの高度化を図るための研究会」最終報告(http://www.npa.go.jp/shintyaku/keiki/saisyuu.pdf)取調べ可視化のみでは「治安水準を落とす」として、諸外国では多様な犯罪に対する盗聴、DNA型資料の強制採取、司法取引、刑事免責などの捜査手段が導入されているとした。
 捜査関係者の意向で取調べ全面可視化の提言は行わず、盗聴について「必要性や国民のプライバシーを侵害するおそれ等の相当性を慎重に考慮しつつ、個々の対象罪種の拡大について、その要否を具体的に検討することが望ましい。」とその強化を提言した。
3月30日 野田内閣、消費税増税を閣議決定。国民新党の亀井静香代表は反発して連立離脱を表明するが、自見庄三郎国務大臣(金融担当、国新副代表)始め党の多数は応じず。
4月5日 国新の自見氏ら連立残留派は、一方的に亀井代表解任を決議。亀井氏は無効と主張。
4月6日 亀井静香氏、亀井亜紀子氏(久興氏の子)と共に国新を離党。
4月19日 北九州市で、元警部が何者かに狙撃され重傷。元警部は昨春まで指定暴力団「工藤會」を担当し「エース」と呼ばれていた。
4月21日 元警部狙撃事件を受け、松原仁国家公安委員長(民主)は事件現場を視察。その後、福岡県庁で小川洋福岡県知事、北橋健治北九州市長、高島宗一郎福岡市長らと意見交換した。松原氏は取材に対し、暴力団対策法改正の他、「通信傍受の拡大や、おとり捜査などの手法の高度化を検討することが必要だ」と述べた。
5月5日 松原国家公安委員長がテレビ番組「ウェークアップ!ぷらす」(日本テレビ系列)に出演し、暴力団対策のための盗聴拡大の必要性を主張。
6月21日 民主、自民、公明3党は、消費税増税を含む社会保障・税一体改革で合意(三党合意)。
6月26日 消費税増税を含む社会保障・税一体改革関連法案が衆議院を通過。民主党内からは鳩山由紀夫氏、小沢一郎氏ら57名が造反して反対、16名が欠席した。
7月2日 小沢一郎氏ら民主党の国会議員52名(衆議院40、参議院12)が離党届を提出。
7月8日 米紙"The New York Times"によると、アメリカで2011年にFBI(アメリカ連邦捜査局)、各地の市警などが行った携帯電話の盗聴・位置情報請求は130万件。位置情報は令状無しで取得出来るため、盗聴に代わって主流になっているという(http://www.nytimes.com/2012/07/09/us/cell-carriers-see-uptick-in-requests-to-aid-surveillance.html)。
7月12日 小沢氏、国民の生活が第一を結党。衆議院37名、参議院12名。
7月17日 参議院で民主党を離党した谷岡郁子氏らにより、院内会派「みどりの風」結成。
7月20日 東京高検検事長の小津博司氏が、第27代最高検察庁検事総長となる。
7月26日 参議院本会議で、暴力団対策法(暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律)が成立。襲撃事件の実行犯を特定出来なくても、事件に関わったと警察が判断した暴力団を「特定危険指定暴力団」に指定出来る内容。
7月30日 高島福岡市長と北橋北九州市長が、警察庁と国家公安委員会を訪問。松原国家公安委員長、片桐裕警察庁長官に対し、暴力団対策のために警察官の増員、盗聴拡大やおとり捜査など「有効な捜査手法の導入」を求めた。
8月7日 米国保守系ニュースサイト"WND"によると、米国防総省の安全保障問題に関する上級アナリストが「中国人民解放軍が世界中の通信網の80%を傍受している」(http://www.wnd.com/2012/07/chinese-have-pervasive-access-to-80-of-worlds-telecoms/)と分析。中国の大手通信メーカーである華為技術(Huawei)、中興通訊(ZTE)は人民解放軍との繋がりが深く、盗聴に協力しているという。
8月10日 参議院本会議で、消費税増税関連法(社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法等の一部を改正する等の法律)が、民主、自民、公明、国新、た日などの賛成、生活、みんな、社民、み風、大地、改革、社大などの反対により可決、成立。民主からは有田芳生氏ら6名が反対。
9月8日 第180回通常国会閉会。
9月21日 民主党代表選で、野田代表が再選。
9月26日 自民党総裁選で、安倍晋三氏が総裁に返り咲く。
9月27日 アメリカ自由人権協会(ACLU)によると、司法省が開示した文書によればオバマ政権における盗聴はブッシュ政権時代の4倍以上に増えたという(https://www.aclu.org/blog/national-security-technology-and-liberty/new-justice-department-documents-show-huge-increase)。
9月28日 大阪維新の会を母体にした全国政党、日本維新の会結党。代表は橋下徹氏(大阪市長)、幹事長は松井一郎氏(大阪府知事)。
10月7日 6日、在日米軍は共同通信の取材に対し、三沢基地(青森県三沢市)にある巨大アンテナ、通称「象のオリ」の運用を今年で終了すると文書で答えた。極東地域の無線傍受や、「エシェロン」などの盗聴に利用されていた。
10月25日 石原慎太郎東京都知事が辞任と新党結成を表明。
10月29日 第181回臨時国会開会。
11月13日 石原慎太郎氏が、たちあがれ日本(平沼赳夫代表)に加わり太陽の党と改称。石原氏は、たちあがれ日本発起人となっていた。
11月14日 野田首相は安倍総裁(自民)との党首討論で、11月16日に衆議院を解散すると表明。
11月15日 国民の生活が第一、新党きづなを吸収合併。
 また、谷岡郁子氏らにより、みどりの風結党。政党要件に必要な国会議員5人を満たしたため。
11月16日15:50 衆議院解散。第181回臨時国会閉会。同日、野田首相は記者会見で福島第一原発事故の収束を宣言。
この日 自民党、「遠隔操作ウイルス対策に関する提言」を発表。トロイの木馬と呼ばれるプログラムなど、マルウェア対策としてサイバー犯罪報告の義務化、懸賞金・おとり捜査の活用、サイバー犯罪への盗聴拡大などを提言した。
11月17日 日本維新の会、太陽の党を吸収合併。
11月19日 小川福岡県知事、北橋北九州市長、高島福岡市長、渋田一典県公安委員長らが法務省、警察庁を訪問。警察庁では米田壯次長と面会。暴力団捜査での盗聴拡大やおとり捜査導入、暴力団犯罪の取調べ可視化除外などを要請した。
11月21日 法制審議会・新時代の刑事司法制度特別部会の第15回会議。警察庁の島根悟幹事より、盗聴法強化の具体案として盗聴の適用拡大、(肉声での)会話盗聴合法化、警察での盗聴作業解禁、立会人廃止などが提案された。
11月28日 嘉田由紀子滋賀県知事らが、日本未来の党を結党。国民の生活が第一、減税日本・反TPP・脱原発を実現する党(正式届出前)などが参加。
 また、新党大地・真民主が、党名を新党大地に戻す。
12月4日 第46回衆議院議員総選挙公示。
12月5日 みどりの風、政党要件喪失を理由に解党を発表。
12月16日 第46回衆議院議員総選挙投開票。
 与党は民主57、国新1。野党は自民294、維新54、公明31、みんな18、未来9、共産8、社民2、大地1、新日、改革その他0、無所属5(全て保守系)。
 この結果、盗聴法賛成派は自民+維新+公明+未来内保守系+保守系無所属=392、反対派は68、不明は20となった。
 民主の自滅と野党の乱立で、自民、公明が圧勝し政権を奪還した。また、これに加え維新が躍進し、盗聴法成立後、最悪の選挙結果となった。
《第九部 盗聴法強化への道とスノーデン氏の告発》
2012[平成24]年12月25日 民主党代表選で、海江田万里氏が代表に選出される。
12月26日 野田内閣総辞職。
 第182回特別国会開会。自民党総裁の安倍晋三氏が、第96代内閣総理大臣となる。安倍氏は5年3ヶ月ぶりの首相復帰で、自民党・公明党連立政権は3年3ヶ月ぶり。
 日本未来の党の小沢派は、勝手に両院議員総会を開き、嘉田代表を解任して自派の森裕子氏を後任に選出。
12月27日 日本未来の党の小沢派が党を乗っ取り、生活の党と改称。日本未来の党は新たに分党(阿部知子代表)。
 政党助成法上の分割では無いため、生活の党が政党交付金の独り占めに成功した。
12月28日 第182回特別国会閉会。
 日本未来の党の小沢派、正式に党名を生活の党と改称。森裕子氏を代表とする。また、みどりの風再結党。
2013[平成25]年 1月25日 小沢一郎氏が、生活の党代表となる。
 また、警察庁次長の米田壯氏が、第24代警察庁長官に就任。
1月28日 第183回通常国会開会。
1月29日 法務省「法制審議会・新時代の刑事司法制度特別部会」で基本構想を発表(「時代に即した新たな刑事司法制度の基本構想」、http://www.moj.go.jp/content/000106628.pdf)。「(諸外国に比べ、盗聴法の)活用は極めて低調なものに止まっている」とした上で、盗聴法については
(1)対象を振り込め詐欺や組織窃盗などに拡大、
(2)スポット盗聴機能を搭載する事で、立会人無しの盗聴を可能に、
(3)回線から全ての会話を盗聴し、事後的にスポット盗聴で抽出する、
(4)振り込め詐欺、暴力団抗争、薬物のコントロール・デリバリー(泳がせ捜査)の捜査において、会話自体への盗聴を検討する、
(5)(携帯電話の)通信履歴が十分な期間保存されるようにする。
 以上の提言が行われた。一方、当初の目的である取調可視化は「全ての取調べを対象として制度を導入するのは(中略)必ずしも現実的でない」として、可視化は取調側の裁量に任せる、裁判員制度が適用される被疑者の身柄拘束事件に限るといった骨抜きが行われた。
2月8日 谷垣禎一法務相(自民)は、閣議で2012年中の盗聴法による盗聴内容を発表。10件の薬物密売や拳銃所持事件で実施され、39人を逮捕したと発表。件数は前年より15件減、逮捕者は17人増。
3月12日 米元老院(上院)情報特別委員会公聴会で、ロン=ワイデン議員(民主)がNSAが米市民を対象とした監視活動を行っているか質問。クラッパー国家情報長官は、NSAの監視対象となっているのは外国人であると答弁。また、愛国者法に基づきメタデータを収集しているのではないかと質問されると、原則として「いいえ」と答弁した。
3月13日 衆議院予算委員会で、安倍首相は野田前首相の出した福島第一原発事故収束宣言を事実上撤回。
 また、衆議院法務委員会で、谷垣法務相は法制審議会・新時代の刑事司法制度特別部会の基本構想を受け、「被疑者取り調べの録音・録画制度の導入や、通信傍受の合理化、効率化など」について、「審議結果を踏まえて必要な法整備等を行ってまいります」と述べた。
3月21日 国民新党解党。
3月26日 Web雑誌"Slate"の"Future Tense"によると、FBIのアンドリュー=ワイスマン法務顧問は先週、GmailやDropbox、Google Voiceのリアルタイム監視・盗聴実現を2013年の最優先事項と述べたという。リアルタイム監視には、盗聴法などによる企業側の協力では不十分という。
4月19日 参議院本会議で、インターネットでの選挙運動解禁などを盛り込んだ公職選挙法改正が全会一致で可決、成立。
5月1日 米CNNの番組で、元FBIのティム=クレメンテ氏は、米国政府は過去に遡って電話の内容を記録していると述べた。4月15日に起きた、ボストンマラソン爆弾テロ事件のFBI捜査について説明した物。
5月9日 共通番号制度関連法案修正案(行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律案など)が衆議院を通過。
5月21日 自民党は「世界一の安全を取り戻すために 〜 緊急に取り組むべき3つの課題」を発表。暴力団対策として「通信傍受・会話傍受」の拡大、あるいは合法化を提言(https://www.jimin.jp/policy/policy_topics/121191.html)。
5月23日 法制審議会・新時代の刑事司法制度特別部会の第1作業分科第4回で、「時代に即した新たな刑事司法制度の在り方について」が議題に。盗聴拡大について、法務省の上野正史幹事が説明。また、警察庁の島根悟幹事は、盗聴拡大の具体例として児童ポルノ、ヤミ金、人身取引、暴力団犯罪などを挙げた。
 また、分科会長は井上正仁氏であり、もっぱら盗聴法強化を目標にした面子となった。
5月24日 参議院本会議で、共通番号制度関連法修正が民主、自民。公明、みんな、維新、改革などの賛成、生活、共産、社民、社大などの反対の結果可決、成立(み風は賛否混在)。
6月5日 英紙"The Guardian"電子版によると、NSA(アメリカ国家安全保障局)は秘密裏に、米通信大手ベライゾン(Verizon)の顧客、数百万人の通話履歴を収集していた。同紙が入手した米外国情報活動監視裁判所(FISC)の4月25日付け機密令状コピーによると、7月19日までの約3ヶ月間、ベライゾンが発信元や発信相手の電話番号、通話時間、所在地などの通話データを日々NSAに提供するよう命じた。
6月6日 英紙"The Guardian"、米紙"The Washington Post"は共に、NSAは2007年開始の監視プログラム「PRISM」により、Microsoft、Google、Yahoo!、Facebook、Apple、AOL、Skype、YouTube、PalTalkの米ネット大手9社のサーバから、動画や写真、電子メールを直接収集していたという。
 また、米政府は前日報じられた通話履歴収集について、「テロとの戦い」に必要であり合法と主張。
6月7日 Microsoft、Google、Facebookなどは、PRISMへの関与を否定。
6月9日 元CIA(アメリカ合衆国中央情報局)職員・NSA勤務のエドワード=スノーデン氏が、6月5日の"The Guradian"記事などの情報提供元が自分である事を名乗り出た。スノーデン氏はNSAと契約しているブーズ・アレン・ハミルトン社員。NSAでの勤務先であるハワイで、NSAの機密情報をUSBメモリにコピーした後、病気と偽って休暇を申請し、香港に渡航していた("The Guradian"のスノーデン氏関連記事はhttp://www.theguardian.com/world/edward-snowden 以下、単にスノーデン氏の情報とある場合同紙報道)。
6月10日 "The Guradian"は、GCHQ(英政府通信本部)がNSAの「PRISM」から情報提供を受けた疑いがあると報じた。
6月11日 スノーデン氏の情報によると、NSAは2013年3月現在で970億の機密情報を収集していた。NSAはネットや電話回線から収集した情報を国毎に表示、分析するため"Boundless Informant"(無限の情報提供者)というソフトを開発していた("The Guardian" http://www.theguardian.com/world/2013/jun/08/nsa-boundless-informant-global-datamining)。
6月13日 米代議院(下院)司法委員会で、ジェロルド=ナドラー議員(民主)が政府関係者から聞いた話として、NSAが通話を盗聴したい場合、一人の分析家の判断のみで、他に法的承認は必要ないと聞かされ驚愕したと質問。FBIのロバート=モラー長官は、政府の盗聴には外国情報活動監視裁判所(FISC)からの「特別な命令」が必要と答弁。
 同日、モラーFBI長官は、スノーデン氏の捜査に乗り出している事を認めた。
6月15日 米国はスノーデン氏の逮捕状を出し、香港政府に引き渡しを要求。
6月16日 "The Washignton Post"は、NSAの情報収集プログラムは4つあると報じた。NSAは情報をメタデータ(電話番号、アドレスなどの周辺情報)とコンテンツ(通話内容など、情報そのもの)に分け、電話のメタデータを収集する"MAINWAY"、電話の通話を盗聴する"NUCLEON"、ネットのメタデータを収集する"MARINA"、そしてネットの内容を盗聴する"PRISM"で構成され、マイクロソフト、アップル、Facebookなどの情報提供はその一部だった。(http://www.washingtonpost.com/investigations/us-surveillance-architecture-includes-collection-of-revealing-internet-phone-metadata/2013/06/15/e9bf004a-d511-11e2-b05f-3ea3f0e7bb5a_story.html)
 また、スノーデン氏の情報によると、GCHQは2009年にロンドンで開かれたG20(20ヶ国・地域)首脳会合などで、各国代表団の電話やメールを盗聴していた。
6月17日 菅義偉官房長官(自民)は、GCHQのG20盗聴疑惑について「政府としてのコメントは差し控えたい」と述べた。
6月21日 スノーデン氏の情報によると、GCHQは光ファイバーケーブルに盗聴装置を付け、情報分析していた。コードネーム"Tempora"、メールからアクセス履歴、Facebookの書き込みまで盗聴していたという。
6月23日 スノーデン氏、香港からロシアに渡航。
6月25日 ロシアのセルゲイ=ラヴロフ外務相は、米国の批判を受け「彼は自らの自由意思で自らのルートを選んでいる。それについて我々が知ったのは、マスメディアを通してだ。彼は(まだ)ロシア国境を跨いでいない」と反論。
6月26日 第183回通常国会閉会。
 この日、ドイツはイギリスにGCHQのTempora作戦について説明を求めた。
6月29日 独誌"Der Spiegel"によると、スノーデン氏提供の機密文書より、NSAがワシントンにある欧州連合(EU)代表部の施設などに盗聴器を仕掛け、またネットワークにも侵入してメールや内部文書を盗み見ていた事が判明。ドイツへの盗聴は、月5億件に上っていた。
6月30日 スノーデン氏の情報によると、NSAは日本、フランス、イタリア、メキシコ、韓国、インド、トルコなど世界38ヶ国の駐米大使館・代表部などを監視下に置き、盗聴していた。
 同日、スノーデン氏はロシアに政治亡命を申請。
7月1日 菅官房長官は記者会見で、NSAの大使館盗聴疑惑について、「まず外交ルートを通じ、真偽のほどを強く求めていきたい」と、米側の回答を待つ考えを示した。
 また、米オバマ大統領は外遊先のタンザニアでの記者会見で、「対立国だけではなく同盟国の考えも探ろうとするのは、どの国も行っていること」と主張。
 同日、EUはEU機関が入る建物が盗聴されていないか点検するよう指示。
7月2日 菅官房長官は記者会見で、NSAの大使館盗聴疑惑について、「米側から今のところ(情報を)受けていない」「重大な関心を持っているのは当然で、現在確認を求めている」と述べた。
 また、米国家情報長官室(ODNI)は、クラッパー米国家情報長官が米上院のファインスタイン情報特別委員長(民主)に向けて出した手紙を公開。内容は3月12日に、ワイデン議員に対して行った答弁で嘘(NSAは米市民を対象にしていない)を吐いた事に対する弁明と謝罪。
7月3日 EUのレディング欧州委員(司法担当)は、米・EUの合同専門家委員会を立ち上げ、盗聴活動の範囲が目的と釣り合ったものであるかどうかを調査すると発表。
7月4日 第23回参議院議員通常選挙公示。
 同日、南米エクアドルのリカルド=パティニョ外務相は、在英エクアドル大使館に盗聴器が仕掛けられていた事を明らかにした。同大使館にはウィキリークス創始者のジュリアン=アサンジ氏が滞在している。
7月7日 独誌"Der Spiegel"によると、スノーデン氏の話として、NSAに反発を強める欧州諸国が、実はNSAと結託して中東などでスパイ活動を行っていたと伝えた。
7月9日 アメリカの市民団体「電子プライバシー情報センター」(EPIC)は個人の通話履歴収集の停止を求め、連邦最高裁に提訴。
 また、ブラジルの放送局"Rede Globo"(『ヘジ・グローボ』)によると、スノーデン氏の資料、NSAは中南米14ヶ国を監視対象にしていた事が判明。ブラジル、コロンビア、ベネズエラ、メキシコを優先的な監視対象にしており、ブラジルから最も多くの情報収集を行ったという。
7月11日 スノーデン氏によると、MicrosoftはNSAがSkype、Hotmail、Outlook.comなどのオンラインサービスへの盗聴を支援していた。暗号化された通信についても、暗号前の平文で盗聴出来るようにしたという。
 Microsoftはこれを否定し、利用者の個人情報を提供するのは、政府からの合法的な照会に応じる場合のみだと改めて声明を出した。
 また、ベネズエラのイリス=バレラ(Iris Varela)刑務所相はツイッターで、NSAの監視を理由にFacebookの使用中止を呼びかけた。
7月12日 中南米諸国による第45回メルコスール共同市場理事会・首脳会合の共同声明で、各国内で行われた盗聴・諜報活動について、人権、プライバシー、市民の情報権、及び国家主権侵害であると強く拒絶。
 参加国は正加盟国:アルゼンチン、ブラジル、ボリビア、ウルグアイ、ベネズエラ。準加盟国:ガイアナ、エクアドル、チリ、コロンビア、ペルー。
 日本なども招待され出席した。
7月21日 第23回参議院議員通常選挙投開票。
 与党は自民65、公明11。野党は民主17、維新8、共産8、みんな8、社民1、社大1。他の政党は生活、緑、み風、大地、幸福などいずれも0。無所属は2。
 この結果、盗聴法賛成派は自公+維新+α+で87、反対派は29、態度不明その他(みんなの大部分、生活も現時点ではここに)となった。
 与党は全体で32議席増と大勝し、自公両党で過半数を回復したばかりか、安定多数を確保した。
 参議院全体では、全242議席中、盗聴法賛成派が152、反対派が76、態度不明が14となった。衆参共に、盗聴法賛成派が絶対安定多数を占める事態となった。(生活は賛成1、その他1。みんなは賛成5、反対1、その他12と計上)
8月1日 ロシアはスノーデン氏に1年間の滞在許可証を発給。滞在していたモスクワ空港から、ロシア国内に入国した。
8月2日 第184回臨時国会開会。
8月5日 『日本経済新聞』によると、法務省は盗聴法の適用拡大の検討を始めた。法務相の諮問機関である法制審議会−新時代の刑事司法制度特別部会での結論を待ち、改正案を決める。
 詐欺・窃盗などに対象を拡大し、捜査機関での盗聴解禁、立会人を廃止し、代わりに全ての盗聴内容を裁判所に提出する事を義務づけるなどが想定されている。
8月7日 第184回臨時国会閉会。
8月9日 "The Guradian"によると、米ロン=ワイデン上院議員(民主)の話として、NSAは「法律を遵守する米国人の通話や電子メールを令状なしで盗聴する」事を可能にする抜け穴があるという。
8月20日 "The Guradian"は、英当局にスノーデン氏の情報を保存したハードディスクの引き渡しか破棄を要求され、7月にハードディスクを破壊させられたと報じた。また、記者の協力者も拘束され、ラップトップパソコンや携帯電話を押収されたという。
8月25日 独誌"Der Spiegel"によると、NSAはニューヨークの国連本部を盗聴していた。NSAは2012年夏に暗号解析に成功し、以降約3週間で傍受したデータの数が12件から458件に跳ね上がったという。
 同日、マレーシアのポール=ロー首相府相は、企業や政府の汚職摘発のため電話盗聴やネット監視を容認する可能性があると述べた。
9月1日 ブラジルの放送局"Rede Globo"は、スノーデン氏の情報として、ブラジルのルセフ大統領とその側近、メキシコのペニャニエト大統領がNSA空メールや携帯電話の盗聴を受けていたと報じた。ルセフ大統領は、油田や空軍の飛行機購入などのロビー活動に関わる盗聴とみているという。
9月4日 米オバマ大統領は、スウェーデンのラインフェルト首相との共同会見で「われわれが一般市民の電子メールや通話を傍受していないことを、欧州と世界各国の人々に保証できる」と主張。
 また、韓国国会で、統合進歩党の李石基議員の逮捕同意を可決。国家情報院は、李氏が北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)と結んで革命を企図していたとして、2010年より盗聴などの情報収集をしていたという。李氏への被疑は内乱陰謀および国家保安法違反。
9月5日 スノーデン氏によると、NSAとGCHQは、HTTPS、VoIP、SSLなどの暗号化技術を、バックドアを通して解読しているという。
 同日米オバマ大統領は、ブラジルのルセフ大統領、メキシコのペニャニエト大統領と会談。オバマ大統領が、監視活動に関する情報を全て提供する事で合意したという。
9月10日 浅田和茂氏ら95名の刑事法学者が、「「新時代の刑事司法制度」に対する刑事法学者の意見」を発表。盗聴法強化案などを強く批判。15日現在、呼びかけ人・賛同者あわせ103名。
9月16日 独誌"Der Spiegel"によると、スノーデン氏の情報として、NSAがVISA始め複数社の国際クレジットカード取引を監視していた。同誌によると、NSAは2011年に1億8000万件の取引記録を処理し、銀行の国際銀行間通信協会(SWIFT)の情報も収集していたという。VISAはこれを否定。
9月19日 政府関係者によると、防衛省は硫黄島に盗聴施設を建設する方針を固めた。中国軍への監視強化が目的で、防衛省の既存施設は6箇所。
9月24日 ブラジルのルセフ大統領は国際連合の一般討論演説で、NSAの盗聴疑惑について「国際法違反であり、国家間、とりわけ友好国間の関係を動かす原則に対する侮辱だ」と述べ、米国を強く非難した。
9月25日 インドの英字紙、『ザ=ヒンドゥー』("The Hindu")は、ワシントンにあるインド大使館とニューヨークにある国連インド政府代表部がNSAに盗聴されていたと報じた。
9月29日 NSAで、2003年以降、少なくとも12件の職権乱用による盗聴が判明。夫の携帯電話や、元恋人のメールなどを盗聴したという。
10月6日 ブラジルの放送局"Rede Globo"によると、カナダ通信安全局(CSEC)はブラジル鉱山動力省の通信やネットアクセス記録を盗聴していた。
 また英紙"The Guardian"によると、ロシアは2014年2月に開幕するソチ冬季オリンピックに向け、ロシア連邦保安局(FSB)が選手や観客を対象に電話や電子メールの内容を盗聴する準備を進めている。
10月9日 ロシアは国営国際放送「ロシアの声」で、ソチ五輪で盗聴を予定している事を認めた。その上で識者のコメントとして、「テロ行為を未然に摘発するには最良の方法なのだから、仕方がない」「何らかの疑わしき兆候を有する一群の人々にのみ対象を限定して監視が行われるに違いなかろう」「電子機器をロシアに持ち込むことを控えたとしても、結局自分のふるさとで、NSAによる通信傍受にあうことには変わりがない」と開き直った。
10月14日 社民党党首選で、吉田忠智氏が党首に選出される。
10月15日 第185回臨時国会開会。
 高市早苗氏(自民)ら、またも衆議院に児童ポルノ・買春禁止法改正案を提出。
10月25日 安倍内閣、特定秘密保護法案(特定秘密の保護に関する法律案)を衆議院提出。
 また、岸田文雄外務相(自民)は閣議後の記者会見で、NSAのメルケル独首相盗聴疑惑について、「一般論として高官に対する情報収集活動は通信の自由、秘密を保障する外交関係に関するウィーン条約の観点から問題だ」と述べた。
10月26日 NSAが日本に、光ファイバーケーブルを使った通信の盗聴協力を求めたが、断られていた事が判明。法的制約や人員不足が理由。NSAは中国情報が狙いだったという。
10月27日 米当局者によると米政府はNSAの外国首脳盗聴プログラムを終了させた。オバマ大統領は、盗聴の事実を知らなかったという。
10月29日 米下院情報特別委員会の公聴会で、アレグザンダーNSA局長は、NSAは法の範囲内で活動していると主張。その上で、「(情報収集)プログラムを放棄しその結果国家が攻撃を受けるより、非難を浴びながらもわれわれが国家を守ることのほうが米国にとって重要だ」と主張した。また、フランス、スペイン、イタリアで一般市民を多数盗聴していたというのは誤りとし、スノーデン氏が暴露した情報の一部は、北大西洋条約機構(NATO)諸国から提供されたという。また、クラッパー国家情報長官は、仏紙"Le Monde"の報道を否定した上で、「(外国)首脳の意向を収集、分析することは基本的な信条のようなものだ」と主張。
10月30日 衆議院国家安全保障に関する特別委員会で、中山泰秀氏(自民)は「まるでアメリカのNSAによる諜報活動が悪だという世論が世界的に巻き起こっている」とNSAを正当化した上で、「日米同盟を押さえた御答弁を、政府としてなさっておられる」と安倍政権の対応を称賛。また、NSAと審議中の国家安全保障会議(NSC)の違いについて説明を求め、世耕弘成副官房長官(自民)は「(NSC)は国家安全保障政策の企画立案、総合調整を行う機関」であり、「インテリジェンスの収集等を行う情報機関ではない」と答弁。
10月31日 オーストラリア紙"The Sydney Morning Herald"は、バンコク(タイ)やジャカルタ(インドネシア)などのオーストラリア大使館が、米の盗聴拠点になっていると報じた。
11月1日 インドネシア外務省はオーストラリアの盗聴疑惑について、駐インドネシア大使を呼び説明を求めた。また、声明で「報道されたような行為は、両国の友好の精神に反しており、全く許されない」と強く非難。
11月2日 米紙"The NewYork Times"がスノーデン氏から受けた情報によると、NSAは英国、オーストラリア、韓国の他に日本にも盗聴拠点を設けている。敵対国はもちろん、友好国に対しても、日本、ブラジルに対しては経済的利益、フランス、ドイツに対しては外交的優位を得るため情報収集を行っているという(http://www.nytimes.com/2013/11/03/world/no-morsel-too-minuscule-for-all-consuming-nsa.html)。
11月5日 小野寺五典防衛相(自民)は、2日付"The NewYork Times"報道について、「あくまで報道があったということで、アメリカ政府がそのようなことを言っているとは承知していない。同盟国との間も含め、さまざまな友好国との信頼を傷つけるような行為は決して望ましいことではない。報道は信じたくない」と述べた。
11月7日 法制審議会・新時代の刑事司法制度特別部会第21回会議。引き続き盗聴法について、
(1)対象犯罪の拡大、(2)立会い、封印等の手続の合理化、(3)該当性判断のための傍受の合理化が議論された。配付資料では、児童ポルノなどへの盗聴拡大論と、神洋明委員(弁護士)などの反対意見が併記されている。また、盗聴拡大などについての技術資料、通信各社(NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクテレコム、NTT東日本、NTT西日本)の意見も提示された。(http://www.moj.go.jp/content/000116019.pdf、http://www.moj.go.jp/content/000116020.pdf)。
11月12日 MicrosoftはWindowsでのRC4暗号を無効化する更新プログラムを配布開始(日本語版は13日から)。NSAに解読されている事が判明したため。
11月18日 みんなの党、自公両党と特定秘密保護法案の修正協議で大筋合意。
11月22日 維新、自公両党と特定秘密保護法案の修正協議で正式合意。
11月23日 オランダ紙"NRC Handelsblad"によると、スノーデン氏の情報として、NSAが少なくとも1946年〜68年に掛けてオランダを盗聴していたと伝えた。
11月24日 独誌"Focus"によると、独情報機関関係者の話として、メルケル首相の電話を盗聴していた疑いがあるのは、先に発覚した米国の他、英国、ロシア、中国、北朝鮮の少なくとも5ヶ国に上るという。
 また、オーストラリア紙"The Sydney Morning Herald"はスノーデン氏の情報として、シンガポールと韓国がNSAの盗聴に協力し、盗聴可能な国際通信網の一部になっていたと報じた。
 米国、英国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドの5ヶ国による諜報協力・相互不可侵は"Five Eyes"(五つの目)と呼ばれ、シンガポールと韓国は、これに協力していたという。
11月25日 参議院国家安全保障に関する特別委員会で、井上哲士議員(共産)が10月29日のクラッパー米国家情報長官の発言を引き、BISC(情報保全についての日米協議)で秘密保全強化を協議していながら、一方で同盟国の首脳の通信傍受は当然だという米国の主張を認めるのかと質問。岸田外務相は、「実態把握のために意思疎通を図ってきている」と答弁。抗議出来ないのかと質問されても、同じ答弁を繰り返した。
 また、菅官房長官は、岸田外務相の答弁を追認した上で、「日ごろより情報の保全については政府として対策に万全を期しております」「米国による政府中枢等対象とした通信傍受の事例は認識していない」と答弁した。井上氏は「相手の盗聴するのは当たり前だと言っている人と意思疎通をして信頼関係がつくれるというのは、私には全く理解ができません」と批判。
 一方、秘密保護法案採決に向け、衆議院国家安全保障に関する特別委員会の公聴会を福島で開催。7人の意見陳述を行ったが、馬場有浪江町長(自民推薦)は慎重な審議を求め、野党推薦議員は全員が反対した。しかし遠山清彦氏(公明)は、「通信傍受法案の際も大きな問題になったが、今となっては、それほど反発はない。従って、この法案も政府の監視をしていけば大丈夫だと思う」と主張。
11月26日 特定秘密保護法案が、自民、公明、みんなの賛成で衆議院を通過。自民は村上誠一郎氏が退席、みんなは井出庸生氏、林宙紀氏が反対、江田憲司氏が棄権した。
 自民党の石破茂幹事長は記者会見で、NSAの盗聴について党としての対策を質問され、「『盗聴はけしからん』ということは当然なのですが、しかし、それを防ぐ手だてというものは講じていかなければなりません。」と答えた。
 また、国連総会第3委員会で、「デジタル時代のプライバシーの権利」が全会一致で採択。ドイツ、ブラジルが中心となった物で、テロ対策は国際法に則り、第三者機関による監視などを設け、盗聴に歯止めを掛ける事を呼びかける内容。米英への配慮から表現を弱め、両国を含む賛成を取り付けた。
12月4日 米紙"The Washington Post"によると、NSAは1日50億件近くの携帯電話利用記録を収集していた。米当局者はテロ組織関係者など国外にいる人物の情報収集が目的で合法と主張したが、結果的に米国民含む一般人の個人情報が無差別収集されているという。
12月5日 2:00 参議院本会議で、自公の賛成により水岡俊一内閣委員長(民主)の解任決議が成立。
2:39 自公は続いて大久保勉経済産業委員長(民主)解任決議を成立させた。休憩後、後任に山東昭子内閣委員長と北川イッセイ経産委員長(共に自民)を選出。政府提出の国家戦略特区法案や独占禁止法改正案を確実に成立させるために行った。与党が野党の委員長枠を奪ったのは参議院史上初。
16:07 参議院国家安全保障に関する特別委員会で、佐藤正久理事(自民)の主導により、石井浩郎氏(自民)より動議が出され、秘密保護法案を強行採決。野党は無効と主張。
16:30頃 菅官房長官は記者会見で、秘密保護法案について「通信傍受法案の成立の際は今回よりもはるかに激しい反対運動があったが、結果的に成立後1─2週間のうちに国民にわかってもらい、全く懸念のない法案となっている。今回も成立すれば心配することはありえない」と主張。
12月6日17:28 民主党、安倍内閣不信任案提出。
18:02 衆議院本会議で自公の賛成により、国会会期を二日間延長。
20:32 衆議院本会議で、民主、みんな、共産、生活、社民などの賛成、自民、公明、維新の反対により安倍内閣不信任案否決。
 賛成が1/5に達しなかったため、記名投票では無く起立採決となった。
23:23 特定秘密保護法が、自民、公明、改革などの賛成、民主、共産、社民、生活、社大などの反対の結果可決、成立。
 維新、みんなは退席したが、みんなから真山勇一氏、川田龍平氏、寺田典城氏の3名が出席して反対した。自民の二之湯智氏も反対したが「ケアレスミス」という。
12月8日 第185回臨時国会閉会。
12月9日 江田憲司氏らみんなの国会議員14名(衆議院8、参議院6)が離党届を提出。
 またスノーデン氏によると、NSAとGCHQはオンラインゲームがテロの温床になっている可能性が高いとして、人気の高い「World of Warcraft」と「Second Life」、「Xbox Live」上のゲームを監視するため、諜報員がユーザーとして潜入したり盗聴を行っていたという。
 米IT大手8社(Apple、Facebook、Google、Microsoft、Twitter、Yahoo、AOL、LinkedIn)は合同で、米政府に監視法の改革を求める公開書簡を送った。
 さらに、マイクロソフトは顧客のプライバシー保護のため新しい取り組みを始めると表明。(1)暗号化の拡大、(2)顧客データに対する法的保護強化、(3)政府による「バックドア」が無い事を実証するために透明性を高める。の三点を挙げた。
12月13日 米国で諮問委員会がオバマ大統領にNSA改革案を提示。内容非公開だが、"THE WALL STREET JOURNAL"、"The New York Times"の報道によると、米国内では規制するが携帯の通話先・時間などのメタデータは制限せず、第三者機関の監査などを導入する。米国外での盗聴活動などに変わりは無い。
12月16日 米コロンビア特別区(ワシントンD.C.)連邦地方裁判所のレオン判事は、NSAの盗聴プログラムに違憲判決。ただし、「国益などを踏まえ」、政府が控訴するまでの期間、命令の履行を保留。
12月17日 米オバマ大統領は、Apple、Google、Yahoo!、AT&T、Microsoft、twitter、Facebookなど米ネット大手の最高経営責任者(CEO)らと会談。企業側の要望を元に、NSA改革案に反映させるという。
12月18日 江田憲司氏ら、「結いの党」を結党。代表は江田氏。
 また、国連総会本会議で「デジタル時代のプライバシーの権利」決議が全会一致で採択。
 さらに、ブラジル紙"Folha de S.Paulo"によると、スノーデン氏はブラジルに亡命を希望。ブラジル側は難色。
 米国で諮問委員会がNSA改革案を公表。通話記録を電話会社または第三者機関に移す、外国に対する諜報活動も高次の承認を求めるようにするなどの内容。
12月20日 スノーデン氏によると、NSAとGCHQは国連開発計画(UNDP)などの国連機関、イスラエルのオルメルト元首相、ドイツ政府内部の電話通信網などを盗聴していた。2008年からの3年間に世界60ヶ国以上の政治家や企業、政府機関などが標的になったという。
 また、ロイター通信によると、スノーデン氏の情報として、RSA社はNSAの便宜を図るため、意図的にRSA暗号に脆弱な乱数作成アルゴリズムを採用してNSAから1千万ドルを受け取る契約を交わしたという。RSA社はこれを否定している。
2014[平成26]年 1月24日 第186回通常国会開会。
2月7日 谷垣禎一法務相(自民)は、閣議で2013年中の盗聴法による盗聴内容を発表。12件の薬物密売や拳銃所持事件で実施され、79人を逮捕したと発表。件数は前年より2件増、逮捕者は40人増。いずれも史上最多で、特に逮捕者数は倍増となった。
5月22日 アメリカ代議院(下院)で、NSA規制法案が賛成303、反対121で可決。NSAはテロ捜査を行うにあたり、従来は数百万人の通話記録をまとめて収集していたが、疑わしい番号への接続記録を探すよう、電話会社への要請が必要になる。
6月12日 法務省・法制審議会新時代の刑事司法制度特別部会第27回会議。盗聴拡大に反対していた弁護士会側の委員が、取調可視化導入と引き換えに「振り込め詐欺と組織的窃盗犯罪に限る形で」盗聴拡大を容認。
 これで、盗聴拡大の答申は確実になった。
6月22日 第186回通常国会閉会。
7月9日 法務省・法制審議会新時代の刑事司法制度特別部会第30回会議(http://www.moj.go.jp/keiji1/keiji14_00102.html)。盗聴拡大の答申案が確定。内容は(1)対象犯罪の拡大。a,殺傷犯等関係(現住建造物等放火・殺人・傷害・傷害致死・爆発物の使用) b,逮捕・監禁,略取・誘拐関係 c,窃盗・強盗関係 d,詐欺・恐喝関係 e,児童ポルノ関係。いずれも、新たに「あらかじめ定められた役割の分担に従って行動する人の結合体により行われると疑うに足りる状況がある」事を要件とする。 (2)盗聴・暗号化を自動化する事で、立会人・封印を不要にする。また、リアルタイム盗聴と事後の聴取を可能にする。 (3)通信事業者施設での盗聴も、通信内容を暗号化する事で事後の聴取が出来るようにする。
7月31日 日本維新の会、分党前提の解党。
8月1日 旧日本維新の会、同名の日本維新の会(橋下徹代表)と次世代の党(平沼赳夫党首)に分党。
 また、警察庁が平成26年版『警察白書』を発表。現行盗聴法が、欧米諸国より制限が厳しいとして緩和を主張。
 さらに、「会話傍受」「仮装身分捜査(スパイ捜査)」を検討課題に取り上げた。
9月18日 法制審議会、法改正要綱を松島みどり法務相(自民)に正式答申。内容は盗聴法拡大を始め、取調の一部可視化(裁判員裁判対象事件、検察独自事件のみ。全体の2〜3%)、司法取引導入が盛り込まれた。
9月21日 日本維新の会が、結いの党を吸収合併して維新の党と改称。
9月29日 第187回臨時国会開会。
10月2日 『朝日新聞』によると、捜査関係者は指定暴力団・工藤會(工藤会)組員の携帯電話を福岡県警が通信傍受(盗聴)した際、犯行に関わる幹部らへの報酬についてやりとりしていたと述べた。工藤會は、看護師の女性に対する組織的殺人未遂の被疑で、幹部ら16人が逮捕されている。
11月18日 アメリカ元老院(上院)で、NSA盗聴規制法案の成立を断念。賛成58、反対42だが、フィリバスター(議事妨害)の打ち切りは60人の賛成が必要なため、成立を断念した。5月に代議院(下院)で成立した法より強い規制内容で、与党民主党に加え、野党共和党の一部も賛成に回った。しかし、共和党指導部は「イスラム国」など米国の敵を利することになると主張し、反対した。
 11月4日の中間選挙で共和党が勝利したため、新勢力が反映される2015年1月1日からは、より法案成立が困難な状況になった。
11月21日 衆議院解散。第187回臨時国会閉会。
11月28日 みんなの党解党。
12月2日 第47回衆議院議員総選挙公示。
12月14日 第47回衆議院議員総選挙投開票。
 与党は自民291、公明35。野党は民主73、維新41、共産21、次世代2、生活2、社民2、改革、減税その他0、無所属8(保守系6、その他2)。自民は追加公認1含む。
 この結果、盗聴法賛成派は自民+公明+次世代+小沢一郎氏+保守系無所属=335、反対派は96、不明は44となった。
12月17日 仙台弁護士会は、法制審議会の盗聴拡大答申を受け、盗聴の危険性を訴えるリーフレット『通信傍受って何?』を発行。12月26日ネット公開(http://senben.org/wp-content/uploads/2014/12/tuusinboujuleaf.pdf)。
12月24日 第188回特別国会開会。自民党総裁の安倍晋三氏が、第97代内閣総理大臣となる。即日、第三次安倍内閣発足。

(制作:K・MURASAME Ver.0.47)
*注:国会に関する記述では、「盗聴法案」のみ年表に記した所でも、組織対策三法案全体を含む事があります。また、肩書きは全て当時のものです。

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