盗聴法シリーズ(8) これからどうすれば良いのか(Ver.4.51)


 私が何故、ここまで盗聴(通信傍受)法について書き込んだのか、もう一度書きます。鷹月氏は「もっと影響力ある所に出した方がいいような気が……」と薦めて下さいましたが、あながちそうでもありません。
 例えば、私のハンドル名は18禁ゲーム『五月倶楽部2』からのものです。これに限らず、仮想現実(バーチャルリアリティー)やテレビ電話等、発達したコンピュータ通信を題材にしたゲームはたくさん出ています。こうした技術の実用化は、遠い未来のことではないでしょう。既にネットゲームで、特定の個人同士が会話をやりとり出来るなど、仮想現実の原型が出来始めています。盗聴法は、そうした仮想現実の世界全てが対象となります。いえ、明らかにコンピュータ世界を最大の標的にしています。何しろコンピュータ、あるいはそれによる仮想現実世界が発達すればするほど、盗聴法も威力を増すのですから。『五月倶楽部』のコンセプトに「現実で抱えている悩み事などを忘れ、この中で好き勝手に謳歌できる」(鷹月氏)というのがありますが、盗聴法が出来るとそれもぶち壊しです。いやむしろ、いつ盗聴されるか分からないのですから、現実以上にやばい世界になります。それを逃れられるのは、秘話機能を破られない技術を持ったハッカーだけ。……………………そうだよな圭介?
 もっとも、フリーソフトとして「破られない秘話装置」がばらまかれるのは大いに期待出来ますし、NSAなどによってその心配が現実になった現在、実際に次々開発されています(https://ss1.xrea.com/murasame.s42.xrea.com/renewal.htmの盗聴法関連記事参照)。
 ともかく、私たちは、盗聴法の最前線に立たされています。しかもゲームによって、それが理解しやすい。そう考えますと、ここで盗聴法批判をするというのは、実に相応しい行動だと私は思ったのです。

 結論は、「次の国政選挙で盗聴法推進者をたたき落とし、盗聴法廃止法案を可決させる」。
 自自公+改革クラブが盗聴法賛成派です。その後、改革クラブが姿を消し、自由が民主に合併され、自由から分裂した保守が保守新党と改名後自民に合流、民主から小沢派の一部が独立して生活→自由(新)に…とめまぐるしく変わっていますが。現在は、「自公+民進+維新+日本のこころを大切にする党+自由の一部+旧みんな系」の皆さんとなります。ただし、当時自民に属したが、盗聴法案採決を棄権した田中眞紀子氏と栗本慎一郎氏を除きます。
 日本が実質は官僚支配により怪しい物があるとはいえ、議会制民主主義を取っています。法案を成立させられるのも国会だけならば、廃止出来るのも国会だけなのです。
 政権交代は挫折しました。しかしそれでも、盗聴法推進の議員を落選させ、廃止派の議員を当選させるのが手っ取り早い方法なのは同じです。

 ではいよいよ「総選挙で盗聴法推進者をたたき落とす」本題です。
 盗聴法が成立してから、これまでに12度国政選挙がありました。

盗聴法成立後の国政選挙
賛成派 反対派 不明その他
第42回総選挙(2000/6/25) 309 171 -
第19回参院選(2001/7/29) 87
(149)
34
(98)
-
(-)
第43回総選挙(2003/11/9) 307 173 -
第20回参院選(2004/7/11) 64
(150)
57
(92)
-
(-)
第44回総選挙(2005/9/11) 359 121 -
第21回参院選(2007/7/29) 55
(116)
63
(121)
3
(5)
第45回総選挙(2009/8/30) 172 297 11
第22回参院選(2010/7/11) 67
(125)
47
(106)
7
(11)
第46回総選挙(2012/12/16) 392 68 20
第23回参院選(2013/7/21) 87
(152)
29
(76)
5
(14)
第47回総選挙(2014/12/14) 335 96 44
第24回参院選(2016/7/10) 113
(216)
8
(25)
-
(1)

*参院選の下段()は、総数。参院選では、半数のみ改選される。

 この表を御覧下さい。盗聴法賛成派は、自公のほとんどに加え、2016年には民進党が賛成に回ったため、国会の大半を占めるに至りました(従来の民主・民進党は旧自由党系に加え、賛成を公言した羽田雄一郎氏を賛成派と扱いました。ただし、第45回衆議院総選挙では、どこまで旧自由党系かわからず、Wikipediaで「小沢グループ」とされる28人を仮に賛成にカウントしました(http://ja.wikipedia.org/wiki/民主党の派閥 参照)http://www.jca.apc.org/haisi/saninsen.htm参照)。
 情勢はじりじりと悪化しました。反対派の総数こそ変わらないものの、廃止に熱心な共産党・社民党の不振。
 そして2005年の第44回衆議院総選挙は、しばらく立ち直れないほど凄まじい結果でした。
 解散直後は野党の優勢が報じられていたため、「千載一遇のチャンス」と思ったのが馬鹿みたいです。
 結果、与党で三分の二の議席を占める圧勝となり、衆議院議員の除名(憲法五五条、五八条二項)や秘密会の開催(同五七条)さえ可能になってしまいました。
 2009年の第45回衆議院総選挙でついに政権交代となり、形の上では衆参共に盗聴法反対派が多数となりました。しかし2010年の第22回参議院選挙で再び参議院の多数を盗聴法賛成派に奪い返されました。そして2012年の第46回衆議院総選挙では、前述の通り再び衆参共に盗聴法賛成派が多数を制し、2013年の第23回参議院選挙では一層状況は悪化しています。そして第47回衆議院総選挙、第24回参議院選挙、第48回衆議院総選挙と、自公の大勝は続きました。
 政権交代でぬか喜びしたのが、本当に馬鹿みたいです。 (いずれも、結果の詳細は第10回参照)

 ほとんど絶望的にも見える議席数ですが、いずれ次の選挙はあります。

 まず、選挙について。来年、2019年7月には、第25回参議院選挙が行われます。不幸にして投票日が用事と重なった場合、是非とも期日前投票をされて下さい。繰り返しますが、私たちは盗聴法で狙われる最前線にいるのです。ついでに、盗聴法反対派の議員や候補にメール(PCに疎い人には住所か、非公開なら所属政党気付で本物の手紙。肉筆の方が有効とも)を送って励ます。特にホームページを開いた議員には、その感想を書くと喜ばれるそうです。少し余裕があれば、参考文献で挙げる「インターネットの敵」議員に投票しないよう、その選挙区の友達にメールを送る。さらに余裕があれば、反対派の政党グッズを買うなり、政治献金をするなり、政治資金パーティーに参加するなり。もちろん、「盗聴法を必ず廃止にして下さい」と言って置きましょう。メールを送るときも同様です。
 地元の議員(または候補者)ならば、賛成派や態度が不鮮明な議員であってもあなたの主張に耳を傾けるかも知れません。議員は多忙なので、かえって情報が入っていない事があります。直接意見をしてくれる有権者は、貴重な存在になります。礼儀を忘れずに、質問や提言しましょう。
 まず、安倍政権が盗聴法強化を実現してしまった以上、与党の自公両党がたたき落とす対象になるのは当然です。もちろん、両党が翻意するのなら、それに超した事はありません。
 一方、政界の離合集散は激しく、特に民主党→民進党→国民民主党は出入りが多いため、ともすると候補者個人の政治的立場もぼやけがちです。松原仁元国家公安委員長など、盗聴拡大に賛同する人物を見極めて、警戒し、あるいは翻意を働きかける必要があります。
 民主・共産・社民の各党は、2003年夏まで繰り返し盗聴法廃止法案を提出しました。しかし、次第に報道すらされずに葬られる状況となり、盗聴法への関心が大きく低下しています。民進党が盗聴強化に賛成した事は厳しく追及されなければなりません。反面、盗聴法廃止への努力を評価する(つまり「票になる」と自覚させる)事が足りなかったのは反省材料です。
 第24回参院選では、共産を含めた野党共闘が現実の物となりました。
 参院選では、野党は32の一人区で11議席を挙げ、共闘で一定の成果を残しました。圧倒的勢力を誇る自公相手に闘うには、選挙協力は必然です。
 しかし、共闘の結果、盗聴法をなし崩しに受け入れては元も子もありません。例えば私の地元の芝博一氏(民進)は、盗聴法採決を欠席しましたが、盗聴法自体に賛成である事は明らかなのでした。共産の擁立取り下げは、芝氏の再選に貢献しましたが、これを盗聴法廃止に繋げる事は簡単ではありません。民進党分裂の一因となった、反共の根強さ(と、残念ながら共産・共闘推進側の一部に見られる乱暴な態度)も頭痛の種です。
 立民、国民、希望、自由。さらには独自行動の維新やこころといった党の候補者に対しても、盗聴法の危険性を知らしめ、盗聴規制強化・廃止に繋げられるかどうか。それは私達次第なのです。
 候補者の情報は直接選挙事務所に問い合わせる他、インターネットや町の噂、公開討論会(「リンカーン・フォーラム」http://www.touronkai.com/に開催情報あり。ただし、この団体は「泡沫候補」と認定した候補を討論会から閉め出すよう主張しており、閉め出された候補者が真に理想的な候補者である事もあり得る。その点は注意)で判断するのもよいでしょう。
賛成 自民、公明、維新、こころ、自由(新)の大部分、大地、幸福、日新民進系無所属、自由系無所属
反対 共産、社民、山本太郎氏(自由)、沖縄社大、新社、緑、減税、犬丸勝子と共和党、都政を革新する会、労働の解放をめざす労働者党
不明 立民、国民、希望、世界経済共同体、支持政党なし、議員報酬ゼロを実現する会、新党憲法9条、フェア

 そしてホームページ、Blog、SNS、Twitter、動画サイトなど利用されている皆さん。参考文献で紹介する盗聴法反対バナー&ワッペンを貼るとか、盗聴法を話題にするとか、盗聴法批判のホームページにリンクを張るとか。何でも良いですから、御協力をお願いします。m(_ _)m
 私もようやくホームページを持つ事が出来ましたが、それ以外でも出来うる限り多くの場で盗聴法の怖さを話題にしてゆきます。もちろん、現実世界でも同じです。
 宮崎学氏のホームページでは、盗聴法推進派で特に悪質な議員を順次「インターネットの敵」に指定して、協力を呼びかけています。
http://web.archive.org/web/20020213091119/http://www.zorro-me.com/miyazaki5/doc/990526tatake.html)宮崎氏は言います。
> 現在、500万とかいわれているインターネット人口のうち、この法律に反対する
>すべての利用者によって、こいつらをつぎのセンキョでたたき落とすあらゆる行動を
>とろう。1000ぐらいになったら、花札のカスといっしょで赤タンよりつよなる
>かもしれんv(^_^)v
 宮崎氏は、公安調査庁のスパイだったと批判されています。盗聴法に反対する立場の人間が、こうした疑惑に正面から対応しようとしないのは非常に残念ですし、私もかつて突破党に参加し、第19回参議院選挙で新党・自由と希望から立候補した宮崎氏(落選)を支援した一人としての責任を感じています。
 しかし、それでもなお、宮崎氏の方法論は有効と思います。
 インターネットには、もちろん盗聴法賛成派もいますが、私が調べた限りでは、少なくともある時期までは反対派が過半数を大きく上回っていました。また、五月倶楽部やゲームを押し立てて盗聴法批判をするのは現実では難しいですが(それどころか公明党方面には逆効果。草川氏とか(^^;)、ゲームファンには有効のはずです。全国数百万はいると思われる、ゲームファンや漫画ファン、アニメファン、そして全てのコンピュータ利用者。その多くは浮動票で、かつ投票率も低いと思われます。しかし、彼等が反盗聴法で一斉に動けば。これはひょっとします。以前、東芝の対応に腹を立てた方がそのやりとりを公開したホームページが話題を呼びました。
(http://member.nifty.ne.jp/AKKY、既に閉鎖)
 このAKKY氏の行動には、一部で批判もあります。しかし、インターネットの実力を世間に示したことは間違いありません。
 盗聴法成立から17年。ネットでは自公側の言論が勢力を増し、果ては在特会の如き人種差別主義者まで跋扈するありさまです。皮肉にも、ネットの恐ろしさを盗聴法推進側に見せつけられてしまったのです。
 そして、秘密保護法成立前後に、菅義偉氏が繰り返した台詞は、盗聴法反対派への勝利宣言に他なりません(よほど気に入ったフレーズなのか、「「国のかたち」はこう変わる! 菅義偉官房長官 ぬるま湯ニッポンを大改革する」『サンデー毎日』2014年1月5・12日合併号、「菅官房長官「3本柱、懸命に取り組んだ」、安倍政権1年でインタビュー/神奈川」『神奈川新聞』http://news.kanaloco.jp/localnews/article/1312260007/でも同様の発言をしています)。
 冗談ではありません
 菅氏は盗聴法の問題を未だに理解出来ていないようですから、今度こそ、飼い慣らしたつもりのネットの恐ろしさを見せつけてあげましょう。それが愛というものです。
 ただ問題は、衆議院小選挙区や参議院一人区は、複数の反対派が候補を立てると共倒れの可能性が高い事。その場合、反対派で誰が一番強いか判断された上で投票するのがベストですが、それは皆さんにお任せします。また、「盗聴法に賛成」という方は、もう一度、その問題点を、自分の事として考えて下さい。

 また、「憲法違反で裁判所に訴える」「暗号や秘話装置で防御する」という手についても少し触れておきます。
 まず裁判に訴えるという手。盗聴法は、まず憲法第二一条2項の
>検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない。
という条文に違反している可能性が非常に高い。また憲法三三条及び三五条では令状主義を定め、逮捕の場合は
>(前略)理由となつてゐる犯罪を明示する令状によらなければ、逮捕されない。
>(憲法三三条)
家宅捜索や押収の場合には
>(前略)捜索する場所及び押収する物を明示する令状がなければ、侵されない。
>(憲法三五条1項)
と定めています。ところが盗聴法では、これから会話を聞いて犯罪の有無を調べるわけですから、
>「傍受すべき通信」を特定することはできない。しかも、盗聴である以上、
>対象者に令状を示すこともできない。(中村敦夫氏ホームページ)
 という訳で、これまた憲法違反の可能性が高い。しかし、残念ながら勝ち目は非常に薄いのです。
 裁判所には「違憲立法審査権」があります。裁判所が「この法律は憲法違反だ」と判決を出せば、それは強制力を持ちます。しかし、HAZUKI氏なら御存知かと思いますが、裁判所がこれを使ったことはほとんどありません。また一審で「違憲だ」と言っても、最高裁に直接上告出来ます。(刑事なら「跳躍上告」、民事なら「飛躍上告」。ただし簡易裁判所の場合は民事に限り、高等裁判所に上告)最高裁の違憲判決は5件だけ。しかも最高裁は、「(違憲立法審査権は)特定のものの具体的な権利侵害などがあった場合のみ認められる」という判決を以前に出してしまったので('52年10月8日、「警察予備隊(現自衛隊)違憲訴訟」判決文より)、今回も今の時点では門前払いが落ちでしょう。
 そして、残念ながらこの懸念通りの結果になりました。2000[平成12]年8月11日、寺澤有氏が実際に盗聴法が違憲であるとして東京地方裁判所に国を訴えました。しかし、2001[平成13]年8月31日東京地裁判決(市村陽典裁判長)、2002[平成14]年1月30日の東京高裁判決(伊藤瑩子裁判長)とも寺澤氏の全面敗訴。寺澤氏は上告せず、判決が確定してしまいました。高裁の伊藤裁判長は「通信の傍受は、裁判官の発布する傍受令状を得て行われるものであり、一般的かつ無限定な傍受が行われる建前となっていない。通信当事者のプライバシーの侵害は小さい」としており、令状自体への懸念などを黙殺した内容でした。特に、国(正確には立法、行政)を相手取った訴訟では、国側に有利な判決が極めて出やすいのが現状です。
 次に暗号や秘話装置について。電子メール用の暗号は気軽に付けられます。これはPGPというものが出回っています。(http://pgp.iijlab.net/)フリーソフトで、かつ現在のところ警察には解読出来ないので、取り敢えず武装するのに良いでしょう。もちろん通常の嫌がらせ対策にも有効です。ただし、第7回で述べた「電子署名法」の適用範囲とされると、PGPも無力と化します。最悪の場合、封書を利用するのも一手でしょう。また、無線LANは盗聴法に関係なく、簡単に盗聴されます。やむを得ず使う場合は、規格が古く盗聴が容易なWEP暗号では無く、WPA2(TKIP、AESの2種)暗号の使用はもちろんのこと、不正侵入を監視するファイアウォールやUTM(統合脅威管理)を併用するなど、少しでも防御を固めるべきです。
 もう一つの秘話装置(暗号化装置)ですが、これは余り期待出来ません。こちらは電話機に接続するのですが、安くても十万円はする上、何しろ物理的な物体なので、持っているだけで怪しまれかねません。しかもPGPに比べると性能も劣ります。もし買われるのなら、誰にも知らせず、どうしても聞かれたくない会話のみ使った方が無難です。これは解読の機会をなるべく与えないためです。特に、コードレス電話は非常に盗聴されやすいので、盗聴法に関係なく避けた方が無難です。また、携帯電話は通話中で無くても、位置情報を発信しています。電源を切っても、国際移動電話加入者識別番号(IMSI)を発信している事があり、完全に止めるにはバッテリーを抜くしかありません。位置情報の収集は盗聴法による令状は不要という法務省見解が現状で出ており、非常に危険です(法務省刑事局長・樋渡利秋氏。第1回参照)。

 私が初めて元になる投稿を掲示板に書き込んだ時、小渕恵三氏が内閣総理大臣でした。その後、森喜朗氏を経て、小泉純一郎氏に代わった時が転機でした。
 小泉内閣の危険性は、アメリカで起こったテロ事件の対応で一気に露になりました。既にスパイ防止を名目とした自衛隊法改正で防衛政策を国民から完全に隠すことが可能となりました。
 小泉氏はテロ対策の国会で、違憲の指摘を「常識論でない議論」(2001/10/11、衆議院国際テロリズムの防止及び我が国の協力支援活動等に関する特別委員会)とこれまた一蹴しました。また、交戦権を放棄した憲法九条については、「憲法の前文と憲法九条の間のすき間、あいまいな点があるところを、どうやって国会議員の皆さんの知恵をかりながら日本ができることをやろうかということを考えている。」
(2001/10/05衆議院予算委員会-02号、中井洽氏(自由)の質疑に応えたもの)
 憲法に限らず、法律は為政者自身に対する歯止めの役割もあるのですが、小泉氏は完全に無視しています。もちろんテロ対策のために何が出来るか議論し、改憲を選択肢にするのもありでしょう。しかし小泉氏は、そうした議論を通り越し、現に施行されている憲法を無視して、何をやってもよいと心得ています。いつから憲法より小泉氏個人の「常識」が上になったのでしょうか。
 2003年3月20日、米国を中心とする連合軍がイラクを侵略。日本は戦前から破壊を前提とした「復興」支援を議論する異様な雰囲気でしたが、小泉首相は強く支持。そしてついに、復興支援の名目で自衛隊を派兵してしまいました。イラクが米国を侵略する可能性がない以上、明白な侵略戦争です。代わりに米国が持ち出したイラクの大量破壊兵器所持やアル・カーイダとの関係でさえ、ついに空中楼閣であることを認めざるを得ませんでした(前者は2004年9月13日米パウエル国務長官、後者は12月21日までに元CIAのマイケル=ショイアー氏http://web.archive.org/web/20060717014302/http://news.kyodo.co.jp/kyodonews/2004/iraq4/news/1222-2668.htmlなど)。にもかかわらず、小泉政権は一片の反省もないまま退陣。陸上自衛隊のみ2006年7月17日に撤退しましたが、航空自衛隊はイラクに残りました。
 そして、安倍晋三政権、福田康夫政権と日本の名でイラク侵略に荷担し続け、麻生太郎政権になった2009年2月14日、ようやく撤退が完了しました。戦闘での死者が出なかった事が救いです。

 政権交代は実現しました。しかし一敗地にまみれました。
 そして、2016年には、盗聴法強化が成立してしまいました。だが、それさえ終わりでは無いのです。
 改めて、安倍内閣不信任決議案を勝手に出します。

 本院は、安倍内閣を信任せず。
  右決議する。


 小渕氏は、どこにでも電話をかけるのを「ブッチホン」と称したくらいで非常にまめな人で、首相官邸に届いたメールも欠かさず目を通していたといいます。
 今となっては、小渕氏に私のメールを送る事も永遠に不可能になってしまいました。お悔やみ申し上げます。

 最後に、この様な長文を読まれた皆様。また、「さくっと消さ」ずに、最後まで拙文を載せて戴いた鷹月氏に、厚くお礼を申し上げます。私の書き込みを読んで、盗聴法の恐ろしさを理解していただけたら、そしてそれが元で盗聴法が廃止出来たなら、これに勝る喜びはありません。ありがとうございました。

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