はじめに このシリーズを書いた理由


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●このページ(サイト)の目的

 このページの目的は、盗聴法(通信傍受法、正式名称「犯罪捜査のための通信傍受に関する法律」)に関する情報を提供しすることです。そして、歯止めの効かないメール盗聴などの問題点を指摘し、廃止しなければならないとの立場から、これからどうすれば良いかを考えます。
 あるいは、「通信傍受は犯罪捜査の一手段として不可欠」「日本の通信傍受法の規制は世界一厳しい」「国防や治安維持に欠かせない」「公共の福祉のためには、プライバシーの侵害も止むを得ない」「相手は"アカ"だからやってしまえ」その他様々な理由で盗聴法に賛成しておられる皆様にも、盗聴法の実態について、是非目を通して頂けたらと思います。

 初めに懺悔します。私はこの原稿を書くのが遅すぎました。
 去る1999年8月12日、盗聴法が参議院本会議で可決・成立し、同18日に公布されました。公布から一年以内に施行、つまり実際に法律として効力を持つとされ、当初は2000[平成12]年8月1日が有力でしたが、実際は少し遅れて8月15日に施行されました。
 日付けからして嫌みとしか思えませんが、せめて、参議院での成立前に書いておけば………………。
 と、くよくよしていても仕方がありません。改めて、盗聴法がいかに問題の多い法であるかを指摘したいと思います。
 私が初めてこの原稿の原形となる書き込みを行ったのは、一九九九年九月一四日の事でした。
 時の流れは早いもので、それからまもなく七年目になります。
 当然、状況はかなり変わっています。そこで、盗聴法の成立した一九九九年八月当時の国会の状況を整理しておきます。

【与党=盗聴法賛成】自由民主党、自由党、公明党、改革クラブ
【野党a=盗聴法反対】民主党、日本共産党、社会民主党、第二院クラブ、国民会議、自由連合、さきがけ、沖縄社会大衆党
【野党b=盗聴法賛否が混在】参議院クラブ

 このうち、自由党、改革クラブ、国民会議は既に無く、さきがけはみどりの会議と改称、参議院クラブは無所属の会と改称しています。
 また、自由党は与党を離脱し、保守党が独立。残った自由党は民主党と合併し、保守党は途中民主党離党者を併せ保守新党に衣替えしたものの、選挙の度に議席を減らし、自民党に吸収されました。
 この他さきがけはみどりの会議と改称して国民会議と合併、参議院クラブは無所属の会と改称しています。
 何より、2005年9月11日投開票の第44回総選挙で、自民党が大勝利してしまいました。自民、公明合わせて三分の二の議席。未だその衝撃から立ち直れません。
 基本的に与党=盗聴法賛成、野党=盗聴法反対の構図はそのままですが、民主党は盗聴法賛成派をかなり党内に抱えたため、「盗聴法凍結」に後退しています。
 さて、そもそも盗聴法の目的は、犯罪者(後で触れますが、「組織犯罪者」とは限らない)が犯罪を起こすための打ち合わせ、麻薬取引などの連絡に使う電話やFAX、Eメールなどを盗聴することで、犯罪を未然に阻止しようとするものです。この事から、特に反対派からは「盗聴法」と呼ばれています。なお「通信傍受法」が正式だという解説が時々ありますが、これもあくまで略称の一つです。正式には「犯罪捜査のための通信傍受に関する法律」となります。
そして法務省は「盗聴法」と呼ぶのは人聞きが悪いから止めてくれとマスコミ各社に触れ回りました。私は「正式名称」というのに弱い人間なのですが、今回に限ってはそれを破って「盗聴法」と呼ぶ事にします。御了承下さい。その理由につきましては、http://murasame.s42.xrea.com/wiretap/thought/tapping2.htm#s13
をご覧下さい。

●基本方針・概要

○本ホームページは、電子メールを盗聴する盗聴法を廃止するという目的のために造られました。
○御急ぎの方は、本項と第一回を御覧下さい。盗聴法の概要となっています。
○ただし、関係のない話も別扱いでする予定です。
○多くの方に見て戴くため、字体(フォント)が一回り大きくなっています。
○盗聴法に反対すると意思表示した以上、「公正中立」ではいられないのは無論です。ただし、資料の扱いなどにつきましては、自説に不都合であったり、賛成派に有利であったりする事実も隠す事無く、出来うる限り客観的に扱います。それが冷静な議論には一番良いと思いますし、自説を押し通すために不都合な事実を隠したりしたくはないからです。
○原稿の出典となる文献は、必ず明記しました。基本的に筆者名も挙げましたが、ネット上や公ではない発言に限り、匿名で紹介した場合もあります。
○基本的に登場人物は敬称付きです。ただし、歴史的人物として扱った場合は、敬称略になっている事があります。
○盗聴法に関係する人物は、出来る限り網羅するように努めました。しかし、字数の都合で、盗聴法推進・反対に重要な役割を果たしながら、名のみの登場で、ほとんど触れられなかった人物も少なくありません。また、名前だけでも出そうと、不自然に固有名詞を出した箇所もあります。そうした人物は、第21回の人物索引の☆数を参考に、サーチエンジンや他の文献などで調べていただければ、もっと詳しい事が判るかも知れません。
○登場人物は、数えた結果合わせて実在1688人、架空8人ですが、実際はもう少し多くなったようです。また、盗聴法成立時の国会議員は全員登場します(第15回)。なぜならば、彼らの存在なくして盗聴法は成立し得なかったからです。
○私は他にも幾つかのテーマを目的としたホームページを計画(いつ実現するかは不明)していますが、いずれそれらをまとめて、一つのページとして扱う予定です。
○その場合、このページに収録されている盗聴法と関係の薄いテーマや無いテーマはそちらに引っ越すので、ブックマークの際はご注意下さい。
○将来盗聴法が廃止された場合、本ホームページは廃止されます。ただし、資料集として、別の形で残すことは考えています。
○他にもいろいろ考えていますが、考えがまとまらないのであと一つ載せてやめます。
○「威武に屈せず富貴に淫せずユスリもやらずハッタリもせず」(『滑稽新聞』)私のページも、そうでありたい。

●「盗聴法」に反対するようになったきっかけ

 私が盗聴法について知ったのは、'97[平成9]年9月の事でした。
 月刊誌『噂の眞相』'97年10月号の記事で「法務省が成立をもくろむ法案」と して採り上げられ、その危険性が指摘されていました。しかし、私はすぐに忘れてしまい、その後盗聴法案が国会に提出されたのも知らずにいました。
 再び私が盗聴法について考えるようになったのは、'99年の5月。もう盗聴法案が衆議院を通過する、という頃になってからでした。
 たまたま、私は『V.R.デート☆五月倶楽部2』(デザイアー/エクセレンツ、Windows95以降、18禁、税抜き8800円。恋愛アドベンチャーゲーム)というパソコンゲームを遊んでいました。近未来(2050年)、「五月倶楽部」という現実を再現した電脳仮想空間を舞台に、女性を軟派(ナンパ)するという内容です。18歳未満禁止なのは性的描写があるからですが、それはともかく。
 (以下ネタばらしになる部分は、伏せ字代わりに文字色を背景色にして置きます。興味のある方で、かつネタを知りたい方のみ上からマウスで引きずるなりしてお読み下さい)
 このゲームの主人公・五月圭介は高校生で、しかも「五月倶楽部」を経営する会社社長の息子です。
 さて、このゲームに、村雨恭子という主人公とは一つ年下の不登校(登校拒否)児が出て来ます。
 村雨さんは不登校になってから、五月倶楽部に入り浸っていました。担任の結城静香先生は、目星をつけて五月倶楽部に行ってみましたが、見つけられません。「秘話機能」というものがあり、第三者に発見されないようにする事が出来るからです。
 困り果てた先生は、主人公に相談します。主人公は、この時点で先生が誰を捜しているのかまだ知りません(もっとも、五月君が村雨さんと出会っていないと先生に相談される事も無いように設定されている)。ここで主人公が先生の頼みに応じた場合、村雨さんの秘話機能を、先生が破れるように五月倶楽部に申請する事になります。
 こうして先生は、村雨さんを確かに捕まえるのですが、結果村雨さんの怒りを買って逆効果に終わります(主人公の態度次第で展開は変わる)。

 さて、この話で五月君と先生がやらかした事は、どう見ても盗聴です。この電脳仮想空間は、その基本は結局通信です。ただ現在の通信と違うところは、感覚までも再現できる、という設定になっているところです。いずれにせよ、見られたくない姿を勝手に見られるようにしたのですから、どうしても盗聴(あるいは盗撮)という事になります。

 私はこの話を盗聴法と結びつけて、初めてどきりとしました。これはすべての電脳利用者が「村雨恭子」にされる法律ではないか、と。
 「五月倶楽部」をプロバイダに、先生を警察にたとえれば分かりやすくなります。あるいは「秘話機能」自体が、現在の通信の暗号と同じようなものと言えます。本編第1回で触れますが、五月君が先生に便宜を図った内容は、アメリカが導入を検討している「クリッパーチップ」、つまり政府(警察)があらかじめ暗号の鍵を持つようにしようとする制度そのままです。このような盗聴をうっかり導入すればどうなるか。しかも現実の警察は、日本共産党を要注意団体と見て盗聴して置きながら、それが発覚して被害者の緒方靖夫共産党国際部長に民事訴訟で訴えられると知らぬ存ぜぬの一点張りで、敗訴した今でもどうしても盗聴の事実を認めようとしないのです。果たして盗聴に歯止めは利くのか。
 私はようやく、本気でこの法案に不安を覚えるようになりました。

●このページ(サイト)が出来るまで
(なぜ鷹月氏の名が出て来るのか)

 私は「鷹月ぐみな情報局2号館」(http://www.campus.ne.jp/~ishigami/index.html)というホームページをしばしば訪れています。このページは美少女ゲーム、つまりアニメ絵のポルノゲーム(といってもゲーム性の強い作品が多い)評論を中心に、管理人である鷹月ぐみな氏の創作したゲーム、ゲーム制作に関する考察、古いファミコンソフトの話、やはり鷹月氏たちの造った同人誌の案内などなど、といった内容です。
 私がこのページを訪れていたのは、『五月倶楽部』(初作)の登場人物、篠原秋穂さんのファンで、鷹月さんが篠原さんのイラストを載せていたのをたまたま見つけたのがきっかけです。
 初めは「五月倶楽部」などの話題を鷹月さんの掲示板でしていました。「五月倶楽部2」がきっかけで盗聴法に不安を抱くようになって、たまたま公明党の草川昭三氏が掲示板「美少女ソフトトークボード」の話題に出て来たところで、
「全く、通信傍受法案(盗聴法案)など好き勝手な事をしくさってからに…………………………。」
と公明党が盗聴法案に途中から賛成に回ったことを愚痴る書き込みをしました。それに対し鷹月氏が、「盗聴法案そのもの(に)反対ですけどね」と文の最後で断りつつ、

公明党に関しては、盗聴法案の修正案に関してはそこそこ評価してますよ、私。あれが無かったらもっとヤバい方向にいってたでしょうし。(No.217 (1999/7/14 23:29)

と書き込みました(これらの発言は、現在ログが初期化されたため見る事が出来ません)。
 私は「それは違うでしょう」と思いつつも、深く突っ込まれると反論する自信が無かったため、いったん盗聴法の話題は打ち切りました。
 本気で盗聴法の内容を調べ出したのは、情け無い事ですが'99年8月12日、盗聴法が成立した後でした。既に参議院予算委員会でのでたらめな「採決」や、本会議での議長による牛歩封じなどに呆れていましたが、実際に法律を調べますと、そのとんでもなさに驚き、かつ今までろくに行動を起こさなかった事を激しく後悔しました。
 こうして私は、盗聴法について調べた内容を、手始めに鷹月氏の掲示板に書き込みました。一つには、私のパソコンはネットに繋ぐ環境になっておらず、学校のパソコンの利用も限られるといった状況では、ホームページを持つのは無理があると考えたからです。もう一つは、仮想現実を題材としたゲームは多数あり、いずれ実用化される可能性が高い。そういった仮想現実はもちろん、現在でもネット利用者が盗聴法の最前線に立たされる事を考えますと、ゲームファンに対して盗聴法反対を呼びかける事は全く当然の行動だと考えたのです。
 その内容は掲示板で読むには長すぎて無理があるという事で、鷹月氏の好意で、まとめて氏のホームページの一角、「エテルナワールド・プランセル」に保存して戴きました。
 しかし、やはり他人のページで発表するというのは無理があり、鷹月氏を始め、幾人の方から無料ホームページサービスを利用するなりして、独自ページを造ってそこで発表するべきではないか、と何度か勧められていました。
 私は自宅でネットに繋げるようになってから、と思っていたのですが、いろいろ都合もあり未だ実現出来ていません。(追記。2000/7/5をもって、自宅ネットを開始しました)
 そうこうしているうちに、小渕首相(当時)が脳梗塞で倒れてから、一挙に国会は衆議院解散へと走り出しました。
 盗聴法が成立したのは国会である以上、廃止するのも国会でするしかありません。そのためには、盗聴法に賛成した国会議員を選挙でたたき落とさなければならない………。
 既に電脳突破党総裁(現在は解党)の宮崎学氏ホームページでは幾人かの国会議員を「次の選挙でたたき落とす候補」に指定して、協力を呼びかけていました。また、韓国総選挙で見られた「落選運動」の影響を受け、他にも同様の行動をする団体が現れました。
 その舞台となる総選挙がある以上、いつまでも鷹月氏のページを間借りしている中途半端な存在ではいろいろと限界があります。下手な事を書けば鷹月氏を巻き込みかねませんし、そもそも仕事の合間にページを造っている鷹月氏に、あまり無茶な要求も出来ません。
 そこで急遽、このページを公開することにしたのです。学校を通してホームページの転送をするのは学校パソコンの利用可能日が限られていますが(ネット閲覧だけなら毎日出来る。ここでは、外部へのファイル転送が許可されているパソコンの利用可能日を指す)、もう贅沢を言っている余裕は無い。そう考えて、ともかく鷹月氏のページに書き込んだ内容を加筆修正の上HTML文書化した上で、これを核にページを造りました。
 以上のいきさつが、鷹月氏の名が協力者とした挙げられている理由です。また、今後もしばらくの間、加筆修正した内容を「エテルナワールド・プランセル」でも併せて公開する許可を戴いています。ただし、プランセルでの更新は滅多にされないはずですので、普段はこちらをご利用下さい。
 このページ自体は、基本的に私一人が造りましたが、鷹月氏の協力と叱咤が無ければ、怠惰な私がこのページを公開する事は出来なかったでしょう。勝手ながら協力者として鷹月氏の名前を使わせていただくと共に、改めて鷹月氏にお礼を申し上げます。
 なお、宮崎氏はのちに公安調査庁のスパイとして情報を横流ししていたと批判を受けました。本当ならば大いに問題ですし、正面から反論しない宮崎氏の態度は不適切といわざるを得ません。しかし盗聴法推進議員を選挙でたたき落とすという発想は現在でも支持していますし、当サイト公開のきっかけの一つとなったのもまた事実なのです。

●黒表紙の理由

 このサイトの一面は、普通に見た場合は背景色が黒になっています。
 見づらさを承知でこの様な背景色にしたのは、盗聴法の施行された2000[平成12]年8月15日以降、「盗聴法による自由の死」に対する服喪と自由を奪った者に対する抗議の思いを表わしているからです。
 盗聴法が廃止されたその時には、黒表紙はなくなります。ただ、やはり見づらいとの指摘が有り、また、現実的に盗聴法の廃止が遠のき、当分黒表紙のままでいる必要が出て来た為、もう少し見やすくする事は考えています。

●ゲームが好きな方へ

 「日本は天皇を中心とした神の国」「(無党派層は選挙で)寝ていてくれ ればいいが、そうも行かないだろう」などと迷言を繰り返し、物議を醸した自民党の森喜朗(もり よしろう)首相(当時)
 最初の発言は失言というより、信念に基づいた発言だったようですが、案の定と言いますか、ゲームに対してもこんな発言をしています。

「ゲームでは殺すことばかりやっている。これを本当にやってみようかなということになるかもしれない」

 全くどうしようもない台詞です。相変わらず「ゲーム=暴力=悪」という公式がはびこっていますが、こういう批判は元々小説や漫画に向けられて来たものでした。そして今度も、『日本経済新聞』2000年5月9日号によれば、「少年による凶悪犯罪との関連も示唆した」発言なのだそうです。
 しかし、小説にせよ漫画にせよ、読者が影響を受けて何かするという事はあり得ますが、逆にそういったものによって衝動が抑えられている面もあるのです。現実離れしているからこその架空世界であり、大騒ぎするほどの事ではありません。マスコミは「格闘ゲームで遊んだ後実際に暴力を振るった少年」などという事件ばかり取り上げますが、それを言うならばワイドショーやテレビドラマを見て犯罪に走った人間の方が遙かに多いのではないでしょうか。
 いずれにしても、森氏のゲームに対する認識はどうしようもなく古くさいです。
 自公政権にしろ、民国社(民国)政権にしろ、残念ながらこのような短絡的な発想の持ち主は少なくありません。

 前置きが長くなりましたが、本題に入ります。
 まず、仮想現実や通信を題材とした作品はたくさんあります。私が触発された『五月倶楽部2』(デザイアー[現:覇王]/エクセレンツ、18禁、PC9801、Windows95)を始め、「バーチャコール」シリーズ(フェアリーテール/F&C、18禁、Windows95など)など。「美少女ゲームなんて…」といわれる方も、『DIABLO』『RAGNAROK ONLINE』などのネットゲーム。あるいは仮想の町の住民となる"Second Life"など。こういうゲーム・企画に参加された方は少なくないのではないでしょうか。"Second Life"では、NSA(アメリカ国家安全保障局)、GCHQ(政府通信本部、イギリス)が諜報員を送り込み、また盗聴を行っていたと報じられています(第14回参照)。こうなると、『五月倶楽部2』との距離はもう半歩もありません。
 携帯電話(含むスマートフォン)の各種サービスやゲームでも同じです。盗聴法成立時、携帯の盗聴は困難とされていましたが、現在は盗聴が行われています(第1回参照)。非接触型ICカード「FeliCa」(JR東日本のSuicaのように、触れることなく情報のやりとりが可能なカード。国民総背番号制で発行されるカードも原理は同じ)の組み込みなど、多機能・情報量の増加が進んでいます。

 「盗聴法」は、このような通信を利用した世界すべてが対象となります。
 本来仲間内だけであったはずの、ネット対戦中のチャットも盗聴されるかも知れません。音声での会話をすれば、それも盗聴されます。そして仮想現実技術が実用化されれば、仮想世界での行動が丸ごと盗聴されるのです。
 いや、ゲームに限りません。mixi、FacebookなどのSNS(Social Networking Service)。会員のみ、友人のみといった閲覧制限が掛けられますが、当然ながら盗聴を防ぐ事は出来ません。ことに、FacebookはNSAの情報収集に協力していたと指摘されています(第7回第14回参照)。
 通信社会が発展すればするほど、盗聴法の威力も増す事になります。

●ネット社会に興味を持たれる方へ

 インターネットの商売は有望といわれています。
 しかし、遠隔者と商売をするには個人情報が漏れない事が大切です。
 盗聴法が成立しますと、そのような個人情報が盗聴の対象となるおそれがあります。もちろん、犯罪と無関係な通信であれば記憶に残らないとされています。しかし、それはあくまで「運用で解決する」とされており、全く当てにはなりません。
 インターネットは世界と繋がっています。これはネットの大きな長所ですが、一方で個人情報が世界中へあっという間に流出しかねないと言う弱点をも持っています。神戸の少年などの実名がネットでばらまかれている事でも明らかです。どこからでも繋がるが故に、全体を監視下に置く事も出来てしまうのです。

●そして全ての方々へ…

 ここまで読んで来て、「私はゲームもしないしインターネットもしない。だから大丈夫だ」と思われる方がいるかも知れません。あるいは「犯罪者を取り締まるんだから、自分達は大丈夫だろう」と。
 おいおい本文でも反論して行きますが、まず申したいのは、盗聴法は少しでも有線が使われている通信すべてが対象となる事です。インターネットはもちろん、電話(携帯電話も全区間無線では無いから含まれます)、FAX、すべて対象となります。
 さらに強調したいのは、盗聴に歯止めは利かない、という事です。一度法律になってしまえば、あれも怪しい、これも怪しい。限り無く拡大して行くのは宿命的とさえ言えます。
 第1回で述べますが、本当の組織犯罪者に生半可な盗聴は通用しません。情報が取れなければ、さらなる盗聴をしようとするでしょう。ついには、自分の気にくわない者すべてを盗聴しようとするかも知れません。既に、児童ポルノや振り込め詐欺などへの拡大論、「テロ対策」を名目にした行政傍受(犯罪が無くても盗聴可能にする)論などが具体化しています。
 やましい事をしていなければ、盗聴されても良いじゃないかと言う方も居ます。しかし、プライバシーとは自分の情報を自分で管理する事であり、内心の自由を脅かされない事だと私は思うのです。それを守るために、主義主張関係無く、あらゆる人に私は呼びかけたいのです。
 四六時中監視すれば、犯罪は減るかもしれない。しかし、私はそのような社会に住みたくは無いのです。

●お断り

 このページの本文は、元々鷹月ぐみな氏の掲示板での書き込みです。ホームページ化に当たっては出来る限り不自然となる部分を直しましたが、時間の都合もあり、掲示板での書き込みを前提とした幾つかの記述が残っています。平に御容赦下さい。
それでは、本題に入ります。

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